愛労連2011年度総括と2012年度運動方針

愛労連第45回定期大会(2011年7月31日/中村区役所講堂)
第1号決定 
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2011年度たたかいの総括と到達点、情勢の特徴、2012年度運動方針


第1章 たたかいの総括と到達点

1.はじめに―この1年間のたたかいをふり返って

(1)はじめてとりくんだ本格的な中小企業調査

愛労連は2011年度、賃金・雇用を守る運動を軸に、情勢を切り開く新たな課題にとりくんできました。

第1は、名古屋市内の「中小企業(製造業)実態調査」です。雇用を守るという視点からも、中小企業の健全な発展は欠かせません。不況が長引くもとで中小企業の実態がどうなっているのか、リーマンショック後、トヨタが下請企業に単価の切り下げを強要してきたことがどう影響しているのか、そのうえ河村・名古屋市長が大企業の誘致を主張し、名古屋市内の中小企業を軽視する政策を打ちだしたことが、実態調査をおこなうきっかけでした。720件をこす調査をおこなったことは、全国的に高い評価を得た運動になりました。

調査活動をとおして中小企業団体などとの新しい共同をつくりだしたこと、その結果をふまえて中小企業の経営を守り、地域経済の活性化を求める運動につなげていく契機となりました。調査方法も、組合員が直接聞き取りをおこない、中小業者の生の声を聞くことができました。

この調査結果をもとに、研究者や中小企業団体なども含めて分析がおこなわれています。10年6月に閣議決定された「中小企業憲章」を生かし、中小企業振興条例などの制定を求め、新たな政策提起にむけたとりくみへとつなげていきます。

(2)要求の根拠を明らかにした「最低生計費調査」

第2は、「あたりまえの、人前にでても恥ずかしくない生活」をするには、いくら必要なのかを明らかにする「最低生計費調査」にとりくんだことです。500人をこえる組合員の協力を得て、おこなった調査の結果は、「25歳男性・単身者」が名古屋市内でくらすには、時間額1286円・月額22万3000円・年額で226万円が必要という結果になりました。これは、愛労連などが要求している「最低賃金を時給1000円以上に」という要求に根拠をあたえる結果となりました。このとりくみは全国的にもおこなわれ、どの地域でも時間額換算で1250~1300円という額になり、全国一律最低賃金制の確立の要求根拠にもなりました。

現行の最低賃金が平均700円前後にとどまっているのは、「生計費」でなく「家計補助」的な水準にすえおかれていることに原因があります。「課税最低限103万円」を時間給換算するとおおむね680円程度になり、最賃法の「生計費」という規定は実態とちがうことがわかります。

愛労連は、「時間給換算で1286円」という最低生計費にもとづき、すべての職場で要求討議をおこない、賃金闘争を再構築していこうとよびかけました。「最低生計費調査」は、年収200万円以下の労働者が急増するなかで、賃金の底上げ・最低賃金引き上げのたたかいに確信をあたえるものとなりました。

(3)東日本大震災の復興と愛労連のとりくみ

3月11日に発生した東日本大震災は、東北・北関東地域に壊滅的な打撃をあたえました。いまも懸命の復旧作業がすすめられています。さらに震災によっておきた東京電力の福島第一原発事故は、福島県民のみならず、日本国民に大きな衝撃をあたえました。

震災復興は、引き続く課題となります。政府は6月20日に「復興基本法」を成立させましたが、その内容は「上からのおしつけ」であって、財界が求める「成長戦略」を色濃く反映しており、被災者をないがしろにするものです。政府は「復興特区」をもうけ、農林水産業などに「企業のノウハウ・活力・資金を投入」するなど、被災住民・被災地の声を無視してすすめようとしています。復興は大企業本位・財界主導ではなく、住民の生活を中心にした復興計画が必要です。

福島第一原発の事故を機に〝脱原発〟が広がっています。自然条件を生かした再生可能なエネルギーへの転換を求める声は世界的に拡大をしています。ところが政府は「ストレステスト」などを経て、「安全性が確保されたら再開を」と基本的には原発推進の立場を明らかにしています。地震・津波が多発するこの日本で、しかも活断層の真上に原発を建設してきたことへの反省はまったくありません。

原発ゼロ・自然エネルギーへの転換を求める運動に、労働組合が積極的な役割を発揮していくことが求められています。

(4)くらしを守る運動、共同のかなめとして

愛労連は、労働者の権利や国民のくらしを守る運動でもたえず共同のとりくみを追求してきました。

派遣切りや非正規労働者の解雇が横行するもとで、労働組合の立場をこえてとりくんできた雇用共闘や、愛労連が毎年とりくんでいるトヨタ総行動にも愛労連・春闘共闘以外の組合からの参加が広がっています。社会保障改悪に反対するとりくみでは、他団体にもよびかけて大集会などを成功させるなど、文字どおり共同のかなめとして奮闘してきました。また平和・民主主義を守る運動においても中心的な役割を果たしています。

震災復興を口実にした民・自・公による「大連立」が画策されています。「与野党大連立」は、国民の声をふみにじって憲法改悪・消費税大増税路線を推進しようというものです。

むこう1年間のたたかいは、文字どおり日本の将来を左右するたたかいとなります。この間のたたかいをふまえ、憲法が生きる社会、労働者がまともに働ける社会、国民が安心してくらせる社会をめざして、愛労連はいっそうの奮闘を誓うものです。

 

2.たたかいの主な課題と総括

【1】賃金・労働条件の改善と働くルールを守るたたかい

1.2010公務員賃金闘争・地域総行動などのとりくみ

(1)10秋季年末闘争のとりくみ

 ① 2010年8月10日の人事院勧告は、2年連続のマイナスとなりました。日本の労働者の賃金は97年以降、賃下げが続いており、デフレが進行しています。愛労連は公務員賃金削減が、さらに民間の賃金を押し下げることになるという立場から、官民一体のたたかいを提起しました。

 ② 自治労連は、政府・与党やマスコミが一体となって公務員に対する総額人件費削減攻撃が強めているなかで、果敢にたたかいをすすめてきました。名古屋関係4単組の職場からの怒りを結集させた上申行動や市役所前での2000人の決起集会を背景にした交渉、豊橋の各部局長への要請行動や職場集会、蒲郡は最終盤で決起集会、春日井では昨年の経緯をふまえた議会要請やニュース発行などによって前進を築いてきました。不当な勧告に対する怒りを結集させ、継続した運動が要求前進につながっています。

(2)民間一時金闘争

 ① 民間労働組合の年末一時金闘争は、リーマンショック直後の状況はぬけ出したものの、依然としてきびしい情勢のもとでのたたかいになりました。建交労では運輸関係が昨年を下まわっています。製造業が多いJMIUでは、全体として昨年並みか若干下がってはいますが、なかにはB&R名古屋支部、川本製作所支部など昨年を上まわりました。

 ② 全国一般、全印総連など民間単産なども要求書を提出し、交渉をかさねてきました。ともにきびしい状況でのたたかいとなりました。しかしそうしたなかで全国一般・アクリル分会は、再雇用者の一時金支給を実現しました。

 ③ 経済の回復、景気の持ち直しなどがいわれていた時期ですが、実態は大企業の売上げ・利益の回復が中心で、中小企業・下請企業の経営が回復するまでには至っていませんでした。こうしたなかでのたたかいは、「会社の業績如何」が要求討議や回答にも反映せざるをえません。とくに最近の傾向として業績を「月例賃金」ではなく、一時金で反映させる企業が増えています。こうした点からみて、一時金闘争のあり方を再検討すべき時期であると考えられます。

(3)地域総行動と中小企業実態調査のとりくみ

 ① 愛労連は11月11日を秋の地域総行動として提起し、名古屋市内では「中小企業実態調査」のとりくみに集中しました。このとりくみは中小企業の実態を把握すること、また、河村市長が中小企業の役割を否定する姿勢を明らかにしたもとで、中小企業の実態はどうなっているのかを把握するために、とくに自動車関連製造業の事業所を区ごとにピックアップし、自治労連名古屋ブロック・地域労連が中心になって訪問しました。

 ② 当初、地域に足をふみだすことに躊躇する声もありましたが、「実態がよくわかった」「名古屋を底辺で支えている中小企業の話を聞けてよかった」などの感想がだされました。労働者・労働組合が中小企業の実態を調査するというとりくみは、新しい共同の広がりをつくりだす可能性を示しました。全国的にも先進的なとりくみになったと評価を得ています。

 ③ 中小企業調査は、その結果を分析し、協力していただいた事業者には報告集会を開催して知らせました。さらに概要についてチラシを作成、愛労連も地域総行動時にチラシに結果を掲載して配布しました。愛知県知事選挙・名古屋市長選挙の政策提起には十分な反映はできませんでしたが、今後の政策や要求の確立にむけて貴重なとりくみになりました。

 ④ 名古屋市外の地域労連は、早朝宣伝・昼の行動・夜の決起集会という行動のなかで最大限の組合員参加を追求しながら、とりくんできました。しかし、とくに昼の行動がくめない地域労連もあり、参加そのものが全体的に縮小している傾向にあります。この点についても地域総行動のあり方について、検討が必要になっています。

(4)高校生・大学生の「就職難」の解決をめざして

 ① 高校生や大学生の就職問題が深刻化しています。大学生では3年になった段階で就職活動に没頭せざるをえない状況にあり、本来の学業がおろそかになることも指摘されてきました。また高校生の就職は昨年の段階できわめて深刻な事態にありました。

 ② 12月26日、「高校生と大学生と青年の雇用を考えるシンポジウム」を開催しました。大学生・教員・経済団体・労働組合などから70人が参加。高校教員からは、「成績トップで堅実に学校生活を送っている高校生が就職試験で不採用になるのは『自己責任』ですまされない」と発言がありました。就職難の解決をめざして、「就職連絡会」を再開し、活動を広げることが急務になっています。

 ③ ゆきとどいた教育を求める「教育全国署名」は、22年間で3億9000万筆に達しました。11年度は、愛高教や愛教労など労働組合や市民団体がとりくみ、8万2035筆を集約しました。

 2.2011国民春闘のたたかい

(1)賃金・一時金引き下げのスパイラルを断ちきるために

 ① 愛労連は2011年春闘にあたって、「賃金・一時金引き下げスパイラルを断ちきる」ことをかかげ、今春闘での賃上げが「労働者のくらしを守る」ことと「経済の活性化、内需主導型経済への転換」という意義をもつものであることを強調してたたかいを提起してきました。

 ② 富が大企業に集中する異常な経済のあり方、「ルールなき経済社会」を是正するという立場から賃金引き上げ要求を高くかかげて奮闘してきました。財界は、「賃上げは国際競争力の低下を招く」という〝思想攻撃〟をくりかえし、連合大企業労組もこれに同調し「ベア要求をしない」という反労働者的な姿勢を示しました。

 ③ 愛労連加盟の民間労組は、中小企業が中心であるということもあり、大幅な賃上げを実現とまではいきませんでした。また、依然として雇用調整助成金を受給している企業もあり、思い切った引き上げを要求できない組合もありました。それでも経営者との交渉は必要で、経営を守るためにどのような協力ができるのかを追求していくことが求められています。

 ④ 賃下げの悪循環を断ちきるために、労働者・国民の世論を結集していくことがきわめて重要です。「賃上げ」「最低賃金引き上げ」の宣伝や地域での共同をすすめるとともに、産業別のたたかい(統一要求・統一交渉・統一行動)をあらためて再構築すること、こうした行動が組合員の目にみえるように提起していくことが求められています。

(2)新春宣伝・新春大学習会のとりくみ

 ① 春闘にむけた「新春宣伝行動」は1月7日、名駅ミッドランド前でおこないました。「大企業は内部留保をはき出し、賃上げ・雇用を守れ」と積極的に訴えてきました。22人の組合員が参加、1500枚のビラとティッシュを配布しました。また10日にはJR刈谷駅で西三河労連を中心に26人が参加して実施、3500枚のビラ・ティッシュを配布しました。

 ② 新春大学習会は1月8日におこないました。今回はいっせい地方選挙もあり、地方自治問題、「地域主権改革」問題を1つのテーマに専修大教授・白藤博行氏、新聞労連委員長・東海林智氏を講師に招き、労働実態・JALの不当解雇問題などの講演をおこないました。参加者は昨年を上まわり、125人になりました。

(3)春の地域総行動および自動車パレード

 ① 春闘勝利をめざす2.24地域総行動では早朝宣伝・昼の行動、夜の決起集会を軸にとりくみをすすめてきました。近年、昼の行動配置ができない地域労連が増えています。休暇がとりにくいなど困難な面もあります。最大の参加を追求するとともに、幹事の配置や単産役職員(専従者を中心に)の配置ができるよう、工夫が必要です。

 ② 自動車パレードは2月27日、名古屋市内を中心にトラック・乗用車など60台と120人の参加で成功させました。港区稲永埠頭を出発し、名古屋栄まで「2011春闘勝利・なくせ貧困」などのスローガンをかかげてアピールしました。従来は東三河でも実施していましたが、今回はとりやめました。

(4)2.25雇用共闘プレ集会、3.17統一行動などのとりくみ

 ① ここ3年間、労働組合の所属をこえた共闘として「雇用共闘決起集会」を開催してきました。2月25日にはそのプレ集会を開催し、80人が参加しました。講演では井内尚樹・名城大准教授(当時)が「地域経済と雇用」と題してこの間の実態調査などをふまえて話しました。報告ではJAL不当解雇とたたかう原告団をまねきました。また名古屋ふれあいユニオンも報告しました。発言・討論では建交労委員長・谷藤氏が日本音楽家ユニオン、INAXメンテナンスCEの労働者性をめぐって発言、最高裁で弁論がはじまること、またJALのたたかいに対する激励があいつぐ集会となりました。

 ② JMIUなどが2月27日におこなった「東海金属労働者のつどい」には、愛知・静岡を中心に約200人が参加しました。開会あいさつにたった平田英友JMIU愛知地本委員長は「春闘本番はこれから。すべての組織で要求書を提出していこう」とよびかけました。連帯あいさつをおこなった生熊JMIU委員長は「2011年は春闘再生元年と位置づけ、すべての仲間の賃上げと雇用の安定をめざそう」と訴えました。各組合からの発言では、解雇撤回闘争をたたかうJMIU中外分会のブラジル人労働者・コバシカワ氏が「3月末の裁判で勝利したい」と決意表明。集会終了後、参加者は中村区役所から名古屋駅までパレードをおこないました。

 ③ 3月5日~6日に、ホテル竹島で開催した東海北陸ブロック春闘交流会は7県から44人が参加しました。「地域循環型経済と中小企業の役割」と題して松丸和夫氏(中央大教授)が講演。「経労委報告の主張や政府の『新成長戦略』は、輸出型大企業の応援で、これでは経済は活性化しない。地域内で循環するシステムづくりとそのために、雇用の受け皿でもある中小企業を育成することが重要だ」と強調しました。報告では各県とも1~2月の春闘のとりくみについて、積極的な行動が紹介されました。5月には石川県労連が組織拡大の総がかり作戦を準備。何らかの支援をブロックとしてもおこなうことを幹事会で確認しました。

 ④ 3月9日、中部ブロック国公の春闘勝利昼休み決起集会が開催されました。人事院勧告前に政府が「公務員賃金2割削減法案」を提出する可能性もあることや、「公務員制度改革法案」が上程されることなどが報告されました。「公務員制度改革法案」は、労働組合の事前登録や協約内容の内閣府による事前チェックなど、労働組合の独立性を危うくする危険な内容も含まれています。

 ⑤ 3.17労働者決起集会は、要求前進をめざして春闘後段のたたかいへの意思統一として決起集会を開催しました。しかし3月11日、東日本大震災が発生。未曾有の大災害が明らかになるなかで、決起集会も春闘勝利とあわせて「震災被災者救援」の要求をかかげた集会に切り替えました。集会後は100人規模で被災者救援の募金活動を展開しました。

(5)賃金闘争の結果(6月30日現在=別紙)

(6)春の自治体キャラバン

 ① 5月17日から20日にかけて、県下自治体への諸要求実現にむけて要請行動をおこないました。本格的な集計や評価はこれからですが、尾張旭市・半田市議会の議会各委員会で陳情書の趣旨について、説明を事務局に求めてきたことは画期的です。日程があわず実現しませんでしたが、今後日程等を把握して参加できるようにしていく必要があります。

 ② 公契約の条例化では、自治体のとりくみについて飛躍はありませんでした。しかし徐々にではありますが、「総合評価方式」や「最低制限価格制度」の実施など、「価格一辺倒の一般競争入札」のあり方に問題意識が広がっています。とくに、「新宿方式(チェックシート)」として、業者に必要事項を記入して提出させるやり方には、多くの自治体が関心を示しました。

 ③ 震災後の要請でもあり、各自治体とも被災地に対する支援で職員を派遣していました。また「防災計画の見直し」にも言及しました。「住宅リフォーム助成制度」の要求に対しては、経済効果があることについてはそれぞれ理解が広がっています。なかには特定の業者を利するのではないかなどの意見もあり、さらに宣伝していくことが重要になっています。

(7)第82回メーデーなど

 ① 5月1日、第82回メーデーを開催し、県中央集会の白川公園には約4000人が参加しました。とくに、東日本大震災直後のメーデーでもあり、デコレーションなどには原発反対などが目につきました。被災者救援の先頭にたつレスキューストックヤードの代表・栗田暢之さん、またTPP問題で農民連会長の中島義雄さんから連帯あいさつを受けました。

 ② 地域メーデーは6会場(東三河、安城、一宮、尾北、尾中、尾東)で開催されました。これらを含めて全体で6000人になりました。

3.最低賃金・公契約条例制定をめざすとりくみ

(1)最低賃金引き上げのたたかい

 ① 昨年、愛知の最低賃金は13円引き上げられ、745円になりました。13円という二桁引き上げは2年ぶりですが、それでも生活改善にはつながりません。民主党政権が「雇用戦略対話」合意として2020年までに「最低賃金800円・平均で1000円」をうちだしましたが、この方向も「経済成長名目3%・実質2%」「中小企業支援策の実施」が前提で、東日本大震災によるマイナス成長のもとで、財界・使用者側委員は「最賃引き上げ抑制」に躍起になっています。

 ② 2年ぶりに最低賃金審議会委員の任命があり、愛労連は3人の候補者をたて、公正な選任を求めてとりくみできました。しかし、またしても愛知労働局長は、「連合独占」という偏向任命をくり返しました。愛労連は厚生労働省に対し、「異議申立」をおこないました。

 ③ 最低賃金引き上げを求めて、2月の生活体験、署名(個人・団体)や4月6日の労働局賃金課要請をへて、7月6日には「745分のハンスト」にとりくみました。宮城一般・杉本副委員長に来ていただき、連帯のあいさつを受けました。また最低賃金引き上げ、中小企業支援策の具体化の課題で愛知経営協や愛知中小企業団体中央会、愛商連への申し入れ・懇談をおこないました。

(2)「最低生計費」調査のとりくみ

 ① 最低生計費調査は、500人をこえる組合員の協力をえて、生活実態、手持ち材調査を実施、これをもとに価格調査を実施してきました。この最低生計費は「名古屋市内で男性25歳単身者が生活するにはいくら必要か」を明らかにしたものです。調査結果は「時間額で1286円、月額で22万3000円、年額で226万円」という額が算出されました。つまり、「人前に出ても恥ずかしくない生活」を維持するためには、少なくとも上記の額が必要だということがはっきりしました。

 ② この結果は、賃上げ要求の根拠として、生かされるべき額です。福祉保育労では春闘での時給引き上げ要求を「1286円」とし、職場での議論、交渉をすすめてきました。「この額は高すぎるのではないか」という疑問の声もでています。しかし1286円は生活するのに必要な額であり、生活保障という観点からみれば、この額を時給として要求するのは当然ですし、現行の最低賃金、現行の時給労働者の水準が低すぎることをもっとアピールしていく必要があります。また全国的にも東北や首都圏を問わず、ほぼ同様の額がだされたことは、地域による生活水準に差がないことを明らかにしたもので、全国一律最低賃金制確立要求の根拠にもなり、すべての単産・地域労連が今後の賃金引き上げの基本にすえるべきものといえます。

(3)公契約条例制定にむけた運動

 ① 2011年度は、公契約運動の前進をめざして「公契約懇談」を6回にわたっておこないました。生公連(生活関連公共事業推進連絡会議)や民法労(民事法務協会労働組合・全国一般加盟)、建交労、自治労連、名古屋市職労などが継続的に参加し、全国的な到達点の学習や実態などについて議論してきました。しかし、愛知県や名古屋市には要請するまでには至りませんでした。また、民事法務協会は市場化テストのもとで、法務局窓口業務(乙号業務)が落札できず、人材派遣会社が落札しました。そのため、民事法務協会の職員は退職するか、賃金の大幅な切り下げを受け入れるかという事態になっています。

 ② 公契約条例は、公共工事や委託業務ではたらく労働者の賃金・労働条件を守るということと、公共サービスの質を維持するうえで欠かせない制度です。「公契約条例」は、公共サービスの委託化を促進するものではなく、官製ワーキングプアをなくし、公共サービスの質の確保とともに、「委託によるメリットはない」状況をつくりだす運動です。この点をふまえて、公務労働者・民間労働者の共同のとりくみがますます重要になっています。

 ③ 公契約条例の制定はTPPとの関係でも急を要する課題になっています。公共調達に関して、現在WTO協定による基準がありますが、TPP加盟4か国の基準(P4)はきわめて低く設定されています。この低い基準が適用されれば、国・自治体の公共サービスに外国企業が参入、同時に、建築や公共サービス現場に大量の外国人労働者が流入してくる可能性があります。この点からも公契約法・条例の制定は必要です。

4.大企業の横暴とのたたかい

(1)第27回トヨタシンポジウム

 ① 11月28日の第27回トヨタシンポジウムには85人が参加しました。午前中の基調報告のあと、丸山惠也・立教大名誉教授がトヨタの拡大路線、リコール問題の背景について講演をおこないました。リコール発生の要因として、1)拡大路線を支えた効率主義、2)「すりあわせ」不能の職場疲弊、3)ゆき過ぎた減価低減の3点をあげました。特別報告は、トヨタの現場について大場氏、豊田市議・大村氏が豊田市内の下請・市民のくらしについて、愛商連服部副会長が中小企業の実態、名古屋市職労・鈴木氏が中小企業調査について報告しました。フロアーからの発言はジェイテクト・田中氏、全国一般・田辺氏、ATU・吉田氏(アイシン)、JMIU・大平氏、全国一般アクリル分会・伊藤氏が発言、また文書発言もありました。

② トヨタの「生産体制の再構築」が今後どういう影響をもたらすのか、この間のシンポの到達点を明らかにしていく必要があります。

(2)第32回トヨタ総行動

 ① 2月11日の第32回トヨタ総行動は雪のなかでの集会になりました。それでも県内や東海北陸ブロックなどから1000人が参加し、「トヨタは内部留保をはき出せ!社会的責任を果たせ!」と要求してきました。11日の集会に先だち、トヨタ本社および関連企業への要請行動を8日におこないました。関連企業のなかには、私たちの要請に真摯に回答する企業もありました。しかしトヨタ本社は要請書すら受けとらないという不遜な態度に終始しました。トヨタは、新春宣伝をおこなったミッドランド前ではかくれて写真を撮るなど卑劣な行動をしました。また、本社にはいった要請団をつけねらうような態度をとったり、車のナンバーもひかえるなど、異常な対応をくり返しています。

 ② 総行動前日、8年ぶりに「自動車交流会」を開催しました。自動車産業が今後どうなっていくのかをテーマに、自動車産業を擁する地方労連の代表が参加しました。自動車産業ではたらく非正規労働者・派遣労働者の解雇撤回の裁判闘争などの発言があいつぎました。またトヨタや日産などは、国際競争力の維持・強化のもとに、海外生産を拡大していく、そのため国内生産の縮小を打ちだしており、重層的な下請構造に大きな変化をもたらすことはまちがいありません。大震災復興もあわせて、産業のあり方が大きく問われることになります。労働組合としても、産業のあり方をめぐって積極的な提言、政策要求を打ちだしていくことが求められています。

(3)11国民春闘のとりくみの教訓は

 ① 2011年春闘は、3月11日の東日本大震災を境に様相が一変しました。震災直後は、デモ行進もはばかられるような雰囲気があらわれました。愛労連は、春闘後段にむけた意思統一の場として3.17労働者決起集会を準備してきましたが、デモ行進を被災者救援募金の活動に切り替えました。

 ② その後も、各組合は交渉をかさねましたが、震災による影響は予想以上でした。日本政策金融公庫が5月26日に発表した中小企業景況特別調査では、「間接被害」を受けた企業は中京圏で74.7%にのぼり、首都圏48%、近畿圏62.6%を大きく上まわっています。「間接被害」の内容は「部品・原材料の確保困難」が35.8%にのぼりました。こうした状況のなか雇用問題が深刻化し、雇用調整助成金の申請増、解雇や無給の〝休業〟という事態があいつぎました。

 ③ しかし私たちが春闘でかかげた要求は、震災によってその旗をおろしたり、自粛するようなものではありません。東日本大震災の復興のためにも労働者の賃上げ・雇用の確保は必要です。全体的には「賃上げどころではない」という声もありますが、労働者や地域経済が元気にならなければなりません。震災復興は大企業がため込んだ内部留保を復興財源(復興国債の買い取りなど)に活用することとあわせ、要求を積極的にかかげてその実現をめざすことがもっとも重要です。引き続き最低賃金引き上げや一時金などのたたかいで、こうした見地をつらぬき、職場・地域での奮闘が求められます。

 ④ トヨタ総行動、トヨタシンポを中心とする「トヨタ・大企業の社会的責任を追及するたたかい」は愛労連運動の主要な柱です。愛労連結成以前からの長いたたかいであり、年々そのとりくみを充実させてきました。しかし、一方で〝マンネリ化〟が指摘され、広がりがないなどの声もでています。行動配置では春の地域総行動と日程的な間隔がなく、行動も早朝宣伝、集会、デモ行進というパターン化したとりくみに、いっそう効果的な行動として何ができるか、早い段階から実行委員会などで検討していく必要があります。

5.労働者の権利を守るたたかい、労働者派遣法の抜本改正をめざす

(1)3.25労働者決起集会、労働者派遣法の抜本改正をめざすとりくみ

 ① 2月19日、雇用におけるセーフティネットがこわされるなか、どのように構築すべきか、「新しい福祉国家」をどう考えるかをテーマにシンポジウムをおこないました。名古屋市のケースワーカー・小池氏から生活保護行政の実態、全労働本部・河村氏が労働行政の実態、愛労連労働相談センター・黒島氏が相談からみた労働実態について報告しました。このあと、都留文科大学教授・後藤道夫氏が「新しい福祉国家を考える」として講演。国民生活を保障する重層的な保障システムの構築と、社会保障財源として、応能負担原則の徹底と大企業・多国籍企業の「社会的費用不払い」をなくすことで消費税にたよらなくても財源は確保できることを強調しました。

 ② 3月25日におこなわれた「3.25労働者決起集会」には200人が参加しました。組合の立場をこえて雇用の確保、首切り反対など要求で一致してとりくんできた集会で、派遣切り裁判のほか、震災にからんだ解雇も広がりはじめていくことから、いっそう雇用のたたかいを強めていこうと強調されました。集会のあと、名古屋駅周辺をデモ行進。被災者救援の募金をよびかける訴えをおこないました。

 ③ 労働者派遣法の改正をめぐっては大きな動きはありませんでした。抜本的な改正を政府に早急に求めていく必要があります。震災を理由に派遣労働者の解雇がでていますが、現行の労働者派遣法には労働者保護の規定がなく、使用者側に使い勝手のいい内容です。継続審議となっている政府「改正案」は抜け穴だらけで実効性にとぼしい内容です。労働法制愛知連絡会の活動もこの1年間動きはありませんでしたが、早急に議論を再開し、とりくむ必要があります。またディーセントワークデーは全労連が提起し毎月第3金曜日に実施してきましたが、事務局・パ臨連幹事が中心で、広がりがありませんでした。

(2)「有期雇用」における解雇・雇い止め問題、労働者性をめぐるたたかい

 ① INAXメンテナンスCEの労働者性を問う最高裁判決が4月12日にだされました。個人請負業者とした東京高裁判決をくつがえし、労働者であることを明記した判決が確定。会社もいよいよ団体交渉に応じざるを得なくなり、大阪で交渉がはじまりました。愛労連は、建交労県本部とともにINAX(現LIXIL)、INAXメンテナンス本社への要請や早朝宣伝行動に参加してきました。同様の事件で日本音楽家ユニオン組合員の新国立劇場専属歌手の八重樫さんも高裁差し戻し判決が同日に言い渡されました。

 ② 個人請負という働かされ方が拡大しています。今回の最高裁判決は「(個人請負の)契約書がある」という形式的な判断ではなく、労働実態から判断すべきであることを示唆し、今後のたたかいとこうした労働者の組織化におおいに活用できる判決です。

 ③ JMIU中外分会の労働者が「不当解雇撤回」を求めた裁判で3月29日、名古屋地裁がくだした判決は「地位確認と解雇後の賃金の支払いを命ずる」という画期的な内容になりました。当初、派遣労働者として働いていたブラジル人労働者が、(株)中外の直接雇用となりましたが、「有期雇用契約」でした。判決では「長く働くことを希望する」という労使の「覚書」が有力な証拠となり、勝利に結びつきました。5月22日におこなわれた報告集会では、名古屋ふれあいユニオン、三菱派遣切り裁判原告から連帯の発言、福井悦子弁護士が、今後有期契約労働者のたたかいに大きな意義を持つ判決であることを強調しました。集会には中外分会の4人のほか、40人のブラジル人労働者をふくめ、62人が参加しました。

(3)労働委員会、労働審判員制度の活用、争議支援のたたかい

 ① 争議をめぐる最近の特徴は、賃金未払い、解雇、パワハラ・セクハラなど職場での個別労使紛争が急増しています。個別労使紛争の解決のために労働審判制度が2006年にスタート、申立件数は4年で4倍の伸びになっています。さらに、労働裁判と異なり、短期間のうちに解決しているのも特徴です。労働相談などをとおして、労働審判制度の積極的な活用をよびかけてきました。一方、労働委員会の活用件数は減少しています。減少しているとはいえ、労働委員会は労働者・労働組合救済の重要な機関です。

 ② 愛知争議団連絡会議に参加する争議を勝利させるために支援を強めてきました。このとりくみに地域労連の積極的な協力を得ながら、勝利の実現をめざしてとりくんできました。とりわけ、現在マツヤデンキ・小池過労死は、最高裁への上告不受理の署名・要請行動をすすめています。豊川市・堀過労自死の早期決定をめざしています。

 ③ 地方公務員災害補償愛知県支部による「公務外認定」の取り消しを求めて提訴していた鳥居建仁さんの裁判で6月29日、名古屋地裁は「鳥居建仁さんの障害は公務に起因する」との判決がだされました。9年にわたる鳥居さんのたたかいと支援する人たちの勝利です。しかし、控訴期限ぎりぎりになって基金支部は控訴しました。引き続き支援をすすめていきます。

(4)社保庁解体と分限免職、JALの不当解雇とのたたかい

 ① 社会保険庁が昨年4月に日本年金機構に移行し、職員の不当解雇(分限免職)から1年以上が経過しました。愛知では4人が現在も解雇の撤回を求めてたたかっています。「社保庁不当解雇撤回闘争愛知支援共闘会議」(2010年11月5日)を発足させ、毎月1の日宣伝にあわせ、支援共闘会議を開催してきました。5月には人事院による「公開口頭審理」がおこなわれました。このあと、裁判闘争に移行することになりますが、引き続き支援を強化していきます。

 ② JALの不当解雇は、裁判がはじまっています。全労連規模の支援が広がっています。愛知には直接の当事者はいませんが、積極的な支援をすすめていきます。

(5)貧困をなくすとりくみ

 ① 派遣切りから一年がたった昨年度には生活保護の受給者が過去最大となり、貧困がさらに深刻になっています。愛労連は「反貧困ネットワークあいち」の一員として、「貧困ビジネス」問題やケースワーカーの増員、子どもの貧困の問題、日系外国人の相談会などに協力してきました。3月13日には全国的なとりくみとして「反貧困集会inあいち」が金城学園大学で開催されました。

 ② 6月には非正規労働者の権利実現全国会議や移住労働者と連帯する全国フォーラムも愛知で開催され、愛労連として報告や分科会などに協力してきました。

(6)労働相談活動のとりくみ

 ① 労働相談センターによせられる相談件数は、リーマンショックによる派遣切りの嵐が吹き荒れた2009年の2186件から2010年は1164件と半減しました。依然として解雇の相談が多く、正社員からの相談が多くなっています。しかもパワハラやいじめによって自主退職に追い込むような解雇が多く、会社都合を「自己都合扱いにしてしまう」例もみうけられます。

 ② 急増するパワーハラスメント問題について、愛知労働局と懇談会を開催しました。愛労連、労働局によせられる相談もパワハラがからむ相談がトップになっており、その原因や背景、解決のための苦労、今後の対策などについてざっくばらんに懇談しました。パワハラ相談が急増する背景や原因については、成果主義賃金の広がりや効率優先のもとで職場に余裕がないことや、職場でのコミュニケーション不足などがあることで、認識が一致していることがわかりました。そのうえで行政として原因や背景の調査、今後の対策などの具体化を要請しました。

 ③ 全労連が提起する全国一斉「労働相談ホットライン」を11月29日と30日、3月4日にとりくみました。また、東日本大震災にともなう影響が広がるなかで4月28日には「大震災・緊急労働相談110番」を全労連規模でとりくみました。

6.国鉄闘争、NTTリストラ反対支援共闘など

 ① 国鉄の分割民営化から23年目の2010年6月28日、建交労、国労や全動労争議団、支援団体の4者4団体は、最高裁において政府の解決案を受け入れ、「JR採用差別事件」が和解となりました。そのご、残された雇用問題で4者4団体などが各政党に対し要請、JR各社に雇用をするよう求めました。しかしJR各社は「決着済み」とのべ、採用しようとはしていません。国労は「これ以上の前進は困難」として、闘争を収束させることにしました。

 ② 愛労連は、建交労とともに鉄道フォーラム愛知に参加し、運動をすすめてきました。23年間のたたかいを報告し、大きな節目を乗りこえた喜びを分かちあう集会を、12月5日に愛労連や建交労など4団体の主催でおこないました。2月には鉄道フォーラム愛知の主催で開催されました。鉄道フォーラム愛知は今後の方向を模索しながら、東海の会とも力をあわせ、JR利用者アンケートを続け、安心・安全の公共交通機関を守るとりくみを続けています。

 ③ 国鉄闘争とともに続けてきた「1の日」宣伝は、金山南口でほぼ毎月おこなっています。10年秋からは、公務・公共サービス切り捨てと公務員攻撃に反撃するたたかいとして位置づけ、自治労連名古屋ブロックも加わって、毎回40人をこえる宣伝行動に発展しています。

 ④ 50歳退職再雇用を続けるNTTに対し、通信労組とNTTリストラ反対闘争愛知支援共闘会議は、遠隔地配転をきびしく批判した松山訴訟の控訴判決に励まされながら、栄総行動や独自の申し入れも繰り返し、運動をすすめています。

7.安全衛生活動、労災・職業病のとりくみ

 ① 愛労連が設立時から参加してきた「愛知働くもののいのちと健康を守るセンター」(通称:愛知健康センター)は、昨年創立20周年をむかえ、8月28日に150人の参加者で「講演と交流のつどい」と記念レセプションを開催、20年史発行等にとりくみました。愛知健康センターは、働く者の相談窓口として職場から労災事故をなくす活動や労災支援活動等々おこなっています。愛労連として理事会に参加するなかでこれらの活動にとりくんできました。

 ② 現在、愛知での労災・職業病認定のとりくみとして、最高裁での小池裁判(障がい者マツヤデンキ過労死労災認定訴訟)、掘裁判(豊川市職員過労自死の公務災害認定訴訟)、名古屋高裁での倉田裁判(刈谷市職員過労死公務災害認定訴訟)、名古屋地裁での鳥居裁判(部活動中での公務災害認定訴訟=6月29日勝利判決)、小出裁判(ソフトバンク過労自死労災認定訴訟)、田中裁判(ジェイテクト労働者うつ病解雇撤回訴訟)、基金支部での山田事件(名古屋市バス運転手へのパワハラで自死、基金支部審査会に審査請求中)等がとりくまれています。

 ③ 職場での安全衛生活動は、労働者がいきいきと働きつづけられるための大事な活動です。今日、不安定雇用・長時間過密労働等の異常な働かせ方のもとで過労死や「心の病気」が増え続ける一方で、労災の適用を拒否したり、一方的に打ち切るなどの事態が増えています。しかし職場での安全衛生委員会等の活用・安全教育の充実等のとりくみに対する方針、指導が弱く加盟単産まかせとなっており、このことが今後の課題となっています。

8.県知事選、名古屋市長選のたたかいについて

 ① 2月6日投票の愛知県知事選挙・名古屋市長選挙で、愛労連は革新県政の会と革新市政の会の中心団体となって、どい・八田両候補の当選にむけて奮闘しました。結果は大村・河村コンビの圧勝となり、「会」の候補はふたりとも5%程度の支持にとどまりました。またこれまでオール与党でなれあいの県政・市政をすすめてきた自民党、民主党推薦の候補も大幅に得票をへらす結果となりました。

 ② 今回の選挙は「政権交代にがっかり」した政治への不満と、リーマンショック後、トヨタだけが利益をV字回復させ、中小企業の廃業があいつぐなかでおこなわれました。「会」以外の候補がいずれも「成長戦略」にそった輸出大企業優遇と大規模開発、TPP参加推進をかかげるなか、私たちは「若者に雇用を」「中小企業支援で地域経済を活性化」「福祉・医療の充実」など各団体の要求を基本に政策をまとめてたたかいました。

 ③ また名古屋の河村市長が仕かけた市議会リコール住民投票とあわせてトリプル投票となったことが大きな特徴です。オール与党のなれ合い県・市議会の問題点をついて「民主的な手段を使って首長独裁」をねらう河村市長の独特のパフォーマンスで革新世論も分断される結果になりました。

 ④ 選挙後におこった東日本大震災では「大合併スリム化が逆効果」(毎日5/23)など、地域住民の生活を支える基礎自治体の役割が問い直されています。また「会」がかかげた「住宅リフォーム助成制度」は、選挙後江南市で実施され、わずか1か月で申し込みがいっぱいになるなど、市民の期待が高まっています。

 ⑤ 総括にあたって、愛労連としてさらに議論を深めることとします。県知事選では万博・空港などの大きな争点がないなか、ひごろ県政に直接かかわりのない組合にとってはとりくみにくい選挙になりました。県政について日常的に知らせていく必要があります。

 ⑥ 名古屋市政については、前回の市長選以後も継続的にたたかってきました。住民アンケートや中小企業訪問などもおこなってきました。今回の選挙には十分生かせませんでしたが、2年後にむけて世論を結集していく基礎をつくっていく必要があります。政党別候補者の乱立というなかで、労働組合として候補者のすいせんがしにくい組織もありましたが、要求実現の一致点での団結を大切にしました。日常的な住民要求実現の運動で共同を広げるなかで、候補者を擁立していくことが必要です。「会」の構成団体から共同を広げるためにも、愛労連がさらに幅広い共同をつくっていくことが求められています。

 

【2】国民のいのちとくらしを守るたたかい

1.社会保障拡充、大増税に反対するとりくみ

(1)社会保障拡充をめざすとりくみ

 ① 社会保障の充実をめざす愛知自治体キャラバン(愛労連・自治労連・社保協など4団体主催)は10月におこなわれ、のべ787人が参加しました。介護保険、障害者控除、子どもの医療費、国保改善など住民の福祉に関わる項目で要請しました。子どもの医療費助成では、小学校卒業までが47市町村(82.5%)に、うち中学校卒業以上の市町村は29市町村(50.9%)に大きく広がりました。障害者控除の認定書の発行では、ねばり強い働きかけで、2007年の13,171人から2008年18,544人、2009年22,712人へと年々増えています。いっそうの要求前進のためには、地域社保協の結成をはじめ、地域での運動がますます重要になっています。

 ② 2月20日に愛知社保協と共催で第12回あいち社会保障学校を開催し、111人が参加しました。午前は、三重短期大学・長友准教授が大阪の門真市の運動も紹介しながら「新たな高齢者医療と国保の広域化」問題で講演しました。「医療費抑制の動きのなかで後期高齢者医療制度や国保の広域化がすすめられているが、広域化で国保の安定的な運営はできない」と強調しました。午後は東京社保協の福井副議長が開始から10年たった介護保険の問題と国の見直しの動きについて講演しました。このほかにも2010年の自治体キャラバンのまとめ報告と市民アンケートにとりくんだ名古屋市職労、フロアーからは名古屋市の「差し押え予告通知書」による事例などの発言があり、充実した内容の学校となりました。7月9日に2011年度社保協の総会が開かれ、記念講演には120人、総会には64人が参加して成功させました。

 ③ 菅内閣が保育・医療・介護・障害者福祉など社会保障に対する全面的な攻撃を強めるなか、それぞれの領域で運動する労働組合や団体などで実行委員会(20団体で構成)をつくり「保育・医療・介護・障害を自己責任にするな2.27春をよぶあいち大集会」を開催しました。集会には、保育園の保護者や子ども、障害者施設利用者・家族をはじめ2000人が参加しました。主催者あいさつにたった徳田秋・県社保協議長は「医療・保育・福祉に対する国の責任を放棄する動きを阻止し、消費税増税やTPP参加をやめさせるためみんなで力を合わせよう」とよびかけました。このあと、関連各分野の代表が舞台にたち、リレートーク。参加者は集会のあと繁華街を2コースに分かれてパレードし、買い物客らの注目をあびました。

 ④ 安心年金つくろう愛知の会では、毎月金山駅で実施する1の日宣伝行動への参加、安心年金署名などにとりくんできました。

 ⑤ 第12回あいち高齢者大会は10月20日、名古屋市公会堂で開催され、458人が参加しました。記念講演には、映画評論家の吉村英夫氏をむかえ「山田洋二と寅さん」をテーマに、日本社会がかかえる問題や課題について、映画からみえてくる解決方向と展望を語りました。午後からの分科会では、愛労連は自治労連とともに、「基地問題から見える平和・憲法」分科会の準備運営を担当しました。

 ⑥ 社会保障各分野のとりくみ

 1)年金者組合、年金者一揆のたたかいを中心に―――年金者組合は10月15日、後期高齢者医療制度廃止や最低保障年金制度の確立をはじめ、介護、普天間基地即時返還、知事選勝利など多彩な要求をかかげ、年金者一揆にとりくみ、はじめて県下3か所で開催しました。参加人数は名古屋に310人、岡崎に140人、豊橋に50人で500人が参加しました。名古屋と岡崎では集会とデモ行進をおこない、豊橋では集会と宣伝行動を実施、高齢者の怒りと元気をアピールしました。

 2)医労連、医師・看護師増やせの運動―――医労連は、看護職員の7割が慢性疲労を訴え、3人にひとりが切迫流産、10人にひとりが流産を経験しているという、異常な状態を改善するため、2010年9月から11月にかけ、全国47都道府県を結ぶ「いのちまもる全国縦断キャラバン行動」を実施。大幅増員・夜勤改善を求める国会請願署名は、組合員一人10筆目標でとりくみ、全国集約数で第1位となる奮闘をしました。こうした運動の広がりのもとで、日本看護協会は厚生労働省と労働基準局長に要望を提出し、運動への賛同も示しています。「運動すれば変えられる」と、署名を通じ職場が元気になり、組織拡大でも過去最高の峰を築いています。

 3)保育労働者、保育守れ(12.18集会など)の運動を中心に―――保育関係者で大きく「反対」の声をあげようと、12・18クリスマスアピールを企画しました。当日は保育園だけでなく学童や幼稚園団体からも多数参加し、約2000人で集会とパレードを成功させました。保育園では観光バスをかりて園児や保護者といっしょに参加するとりくみをおこなったところもあります。参加した保護者からは、「保育所が大変なことになることや、保育士さんたちががんばって反対していることもわかった」と感想がだされ、その後、新しい請願署名集めの力につながっています。

 ⑦ 名古屋市内では中小企業調査と並行して市民のくらしアンケート調査が実施されました。9000件を集約するという画期的なとりくみで、名古屋市職労のほか、福祉保育労なども参加した実行委員会としてすすめてきました。国保料の引き下げや医療・保育などに関する切実な声を集約しました。ある団地自治会では組長みずから500件近いアンケートを集約し、「地域の今後のとりくみがよくわかった」など、報告集会で感想がだされました。こうした活動は、直後の県知事選挙、名古屋市長選、いっせい地方選挙などで、あらためて地方自治体のあり方を問いかける運動の契機となりました。

(2)大増税・負担増に反対するたたかい

 ① 消費税をやめさせる愛知連絡会の一員として、この間、事務局会議や定期的な宣伝行動に積極的に参加してきました。また3月11日に実施した3.13重税反対統一行動、3月31日の消費税ロングラン宣伝などにとりくんできました。

 ② 消費税をやめさせる会として、毎月金山ダイエー前での宣伝行動に参加してきました。政府の「税と社会保障の一体改革」攻撃のなかで消費税引き上げが打ちだされています。また復興財源としての増税にたいし、世論は「やむを得ない」という雰囲気があります。政府や財界は震災に乗じて国民への負担増を強要していますが、これをはね返す大きな運動が求められています。

2.小さな政府・自治体、道州制に反対するたたかい

 ① 4月28日に成立した「地域主権改革一括法」は「義務づけ・枠付の見直し」で今年度中に保育所・児童養護施設・知的障害児施設・介護施設の設置・運営にかかわる最低基準を見直し、基準を地方自治体の条例に委任すること、公営住宅の整備基準を自治体まかせにすることになりました。これは国の責任の放棄であり、憲法第25条を否定するものです。

 ② 国の行政機関の縮小・地方移管がすすめられています。とくに労働行政では、ハローワークの統合・廃止があいついでいます。労働行政は国が責任をもつべきであり、廃止や民間企業の参入などはおこなうべきではありません。ハローワーク・監督署が労働者から遠ざかれば、ますます雇用にかかわるセーフティネットが破壊されてしまいます。こうした事態をまねく「地域主権改革」や労働行政の再編・縮小に反対し、当該組合を中心に、宣伝・署名行動を積極的にすすめてきました。

 ③ 愛知国公が毎年とりくんでいる「行政レポート」は、各省庁の「小さな政府」「道州制」などを考えるうえで貴重な資料となっています。こうした成果を広げていく必要があります。

3.憲法と平和を守るたたかい

(1)憲法を守るとりくみ

 ① 愛労連は「憲法と平和を守る愛知の会」に結集して、国会開会中の毎月第2・第4土曜に宣伝行動をすすめてきました。5月3日および11月3日の憲法に関する記念日の集会に積極的に参加してきました。また、「愛知九条の会」の事務局として活動を支えてきました。

 ② 毎年春の自治体キャラバンでは憲法遵守の項目をもうけ、職員研修で憲法を位置づけること、憲法改悪の動きに反対して国に意見書をあげることなどを要請してきました。

(2)核兵器廃絶をめざすとりくみ

 ① 今年2月にはいって日本原水協は、「核兵器禁止条約の制定を求める」ための新たな国際署名をスタートさせました。この署名は「核兵器廃絶」を主張する189か国の政府に対して、条約締結のテーブルにつくよう求めるもので新たな段階をむかえたとりくみです。

 ② 5月31日に愛知県入りした2011年平和行進に、多くの組合員が積極的に参加してきました。今年は福島第一原発の事故もあり、沿道からのカンパ・署名もかつてなく集まりました。原水爆禁止世界大会、日本平和大会などに積極的に参加してきました。また3月1日のビキニデーにも事務局・組合員を派遣してきました。

(3)基地撤去を中心としたとりくみ

 ① 小牧基地の軍事機能強化に反対し10月3日、春日井市で平和集会が開かれ県内から350人が参加しました。県営小牧空港からJAL路線が撤退するなか、自衛隊による軍事基地機能強化がねらわれているもとでの集会となりました。また沖縄基地撤去のたたかいと連帯した集会となりました。

 ② 10月15日~17日の3日間、全労連がおこなった基地撤去連帯行動に全国から24人が参加しました。普天間基地無条件撤去・辺野古への移設反対、11月の知事選勝利のために、とりくまれたものです。

 ③ 沖縄に連帯する愛知県民集会を10月21日に開催し、250人が参加しました。この日は、沖縄で米兵による少女暴行事件に抗議する8万5000人が結集した県民大会が開催されて15年目にあたる日でした。沖縄県知事選を国民共同のたたかいとして勝ちぬこうと意思統一しました。沖縄から名護平和委員会・辺野古新基地建設反対で奮闘している大西照雄さんもかけつけました。

4.東日本大震災、被災地支援のたたかい

 ① 愛労連は3月11日に発生した東日本大震災の直後から、被災者救援を訴える宣伝行動や募金活動に積極的にとりくんできました。3月17日の春闘決起集会においても集会後は参加者100人以上が参加して栄交差点で募金の訴え、翌18日のディーセントワークデーでも被災者救援を訴えました。

 ② 4月に入り、救援ボランティアに積極的に参加してきました。また、被災当時交通網の寸断や物資の不足するなかで、灯油を届け被災者にたいへん喜ばれました。その後も、建交労・交運部会などを中心に軽自動車や自転車などを届けるとともに、各単産からも救援物資を集約し、届けました。ボランティアは、当初岩手県大船渡市に、その後宮城県石巻市を中心に派遣し、がれきの除去や救援物資の仕分けなど、被災者の生活を支援してきました。

 ③ 東電・福島第一原発事故が深刻な事態になっているなか、政府も東電も正確な情報を開示せず、国民のあいだに大きな不安が広がりました。一体どうなっているのかを知るために、愛労連は5月28日の第2回評議員会のあと、原発問題の学習会を開催しました。「レベル7」というきわめて危険な「過酷事故」になったのは東電や政府の対応の遅れによって引き起こされた人災であることが明らかになりました。

【3】組織拡大・組織強化のとりくみ

1.組織拡大のとりくみ

(1)秋の組織拡大月間(10月~12月)

 ① 秋の組織拡大月間を10月~12月の3か月間に設定し、拡大目標を3000人としてとりくんできました。9月22日には秋の月間スタートを切る組織拡大決起集会を開催し、16単産・7地域から70人が参加。「次世代を育成していこう」という青池香子さん(全労連・全国一般書記次長)のよびかけが参加者に感銘をあたえました。

 ② 各単産は独自に目標をたて、とりくみをすすめました。12月末現在での到達点は622人(拡大数のみ)となりました。とくに、愛高教・愛教労、医労連は、共済への加盟をよびかけてつながりをつくり、加盟をすすめました。生協労連では非正規労働者の組織化、自治労連は、正規未加入者をはじめ非正規、外郭団体職員も対象に拡大しました。

 ③ 民間部会は9月29日~30日の両日に知多・西三河地域でキャラバン宣伝をおこないました。知多ではスーパー前での宣伝時に「組合費さえ払えない給料だ」と訴えてくる労働者もいました。刈谷ではJMIUの大平副委員長が「下請基準を守らせ、中小企業でも適正な利潤確保と労働条件の向上ができるようにしよう」とよびかけました。

 ④ 組織拡大推進委員会を月間中3回開催し、単産・地域労連のとりくみについて経験交流をおこないました。宣伝資材としては、ティッシュ(1000個3000円)と権利手帳を準備し、活用をよびかけてきました。

 ⑤ 秋の組織拡大は、職場未加入者やまわりの非正規労働者をどれだけ組織するかが課題です。とくに非正規労働者については、公務関連組合は意識的に拡大を追求しています。また民間では職場での未加入者が多くいますが、統一的な行動の配置など、思い切った加入のよびかけが必要になっています。

(2)春の組織拡大月間(3月~5月)

 ① 春の組織拡大月間は3月~5月を月間に設定し、拡大目標を5000人としてとりくみをすすめてきました。とくに、新規採用者の100%加入を獲得するとともに、非正規労働者の積極的な加入よびかけを重視してきました。月間中の到達は2821人になりました。

 ② 毎年恒例の新入職員宣伝は、4月1日に伏見交差点で権利手帳とティッシュをセットにして900セット配布。参加は8人で少なめでしたが、受け取りは良好でした。

 ③ 自治労連では、5月13日現在、県下1103人の採用に対して740人の新しい組合員が加入し、67%の加入率で前年を上まわっています。1000人を上まわる大量採用と2月、3月から事前研修がおこなわれるもとで、早い段階からの体制確立をおこなってきました。こうした結果、港職労・豊川市病労・中水労・犬山市職労・岩倉市職・蟹江町職労の6単組が100%の組織化を達成しました。引き続きすべての単組が昨年比20%増の目標達成をめざして奮闘しています。

 ④ 福祉保育労では5月9日段階で昨年の大会水準を上まわる775人に到達。拡大のヤマ場に設定した新歓行事「グリーンフェスティバル」(5月14日)をめざしたとりくみで上乗せを実現しました。今年度の目標である800人地本の実現にむけてとりくみを強めています。

 ⑤ 医労連では年間目標の1万2000人組織めざして奮闘が続いています。5月18日現在、11,011人で昨年の大会水準を突破。新人加入については877人(52%)の到達となっています。5月14日には組織拡大会議を開催し意思統一。未加入者との総対話や共済説明会の実施などを確認しとりくみを強めていくことにしています。

 ⑥ 民間部会は3月17日~18日に未組織宣伝行動を実施。東日本大震災の直後ということもあり、救援募金の訴えを中心におこないました。17日は小牧駅からスタートし、各工業団地では救援募金の訴えと同時に、賃上げこそ景気回復の道であることを訴えました。小牧駅・春日井駅・勝川駅での募金活動を10人の参加でおこないました。18日は刈谷駅をスタートに、高浜・西尾・幸田・碧南で組合加入をよびかけました。参加者は8人でした。

(3)労働相談から組織拡大へ

 ① 労働相談活動は、月によって相談数の変動はあるものの、内容は深刻さを増しています。特定の産業にかかわらずあらゆる職種・業種の労働者から相談があります。建設や運輸関係では、労働者だけでなく事業者からも相談があり、業界自体が深刻な状況にあることを伺わせます。相談だけの解決が困難になっており、単産への加入をよびかけています。

 ② また、産別に相談があっても専従者がいない、あるいは対応がわからないなどの場合があります。この場合は、愛労連にすぐに連絡できるような体制をつくるとともに、それぞれの単産で相談活動ができるよう改善が必要です。

2.組織強化のとりくみ

(1)愛労連第2回労働組合役職員セミナー

昨年につづき、愛労連役職員セミナーを開催しました。「愛労連セミナー」と名称を変更して開催地は東三河地域でおこなうこと、毎月1回、2月から7月までの第2土曜日の午前中を講義日として、全体で34人の受講者が集まりました。東三河労連の役員に運営委員として参加してもらい、毎回の講義終了後には短時間で運営委員会を開催し、反省点などをその場でだしあいました。1日のみの参加も含めて毎回20人~30人の受講者ですすめ、講義と班討論に加え、初回と最終日にはレクレーションを交えるなど、受講者同士の交流も視野に入れた中身にしました。

(2)機関紙宣伝学校など教宣活動のとりくみ

 ① 11月6日~7日に第15回機関紙宣伝学校を労働会館で開催し、2日間で70人が参加しました。うたごえ新聞編集長・三輪氏は記念講演で自身の取材体験をもとに「知らなかったことにたくさん出会える。好奇心旺盛に、何?なぜ?といろんなものに興味や疑問を持つことが大切」と話しました。2日目は1)紙面で新聞づくり、2)取材・文章、3)デジカメコース、4)パソコンで新聞づくりの4つにわかれて1日かけての講座をおこないました。参加者からは「パソコンではなんとかつくれたが、割り付けなどのセンスがないので、それも学ばないと」「機関紙づくりに意欲がわいてきた」「実際に取材をし、生きた学習ができた」などの感想がありました。また、チラシづくりコースやパンフレット作成などの要望もあり、次回の検討課題となりました。

 ② 愛労連機関紙の発行では、編集委員会(生協労連・自治労連・年金者組合・福祉保育労・事務局)を毎号ごとに開催し、紙面の充実をめざしました。震災の3月は、急きょ2ページ立てにして1か月に2回発行し、情報を早期に届けるようとりくみました。

(3)地域労連のとりくみ、地域運動交流集会の開催

 ① 地域労連では毎年フェスティバル(中川・瑞穂)や憲法・消費税の連続宣伝、未組織の組織化(名中)など、定期的な宣伝行動などにとりくんでいます。東三河では地引き網の活動にとりくんでいますが、500人が参加する大きなとりくみになっています。また千種・名東労連では商店街へのポスター貼りなどを通して、共同を広げています。職場や組合の枠をこえて働くものの交流を広げるとりくみでは、クリスマスパーティーやボウリング大会など多彩な行事がおこなわれています。

 ② 年2回の地域総行動では早朝宣伝・夜の集会や学習会などの活動は定着しています。昼の行動も含めて組合員参加型の運動について、課題や意義を明確にし、とりくみの拡大を広げていく必要があります。そのために単産・地域労連代表者会議など、議論と意思統一の場を定期的におこなう必要があります。東労連では役員の転勤などで大会を開催できない状況が続いていましたが、4年ぶりに大会を開催。役員体制についても確立し、とりくみを再開しています。

 ③ 地域労連研究集会として、この間17回にわたって開催してきましたが、今年から「地域運動交流集会」として開催してきました。単産・地域労連が地域でどういう運動を展開するのか、地域の課題で共同をどう広げていくのかをテーマに、6月18日~19日におこなった交流集会には37人が参加しました。講演は京都大学教授・岡田知弘氏。震災復興や地域の活性化にむけた視点はどうあるべきかなど、今日的課題で問題提起を受けました。これを受けて分散会では、地域労連のとりくみ、単産もふくめて今後地域とどうかかかわっていくのかなど活発な討論ができました。

 ④ 栄総行動は、今年春で76回を迎えるというとりくみになりました。要求実現・争議解決などのほか、行政への要請行動などが展開されました。

(4)共済活動について

 ① 2010年2月1日に全労連共済が発足し、友好組合をふくむ20数単産43地方共済会で構成する全国労働共済と国公労連・自治労連・医労連・全教・福祉保育労・首都圏土建の単産共済で構成する労働共済連が一本化・統合されました。これにより事業と運動のすべてが継承されたことで、いっそう大きなとりくみを発展・推進させる条件が切り開かれました。全労連共済の発足にともない愛知共済会は規約改正をおこない、全労連共済愛知支部(通称は愛知共済会)となり1年余がたちました。この間、組織委員会や事務局組合を中心に拡大にとりくんできましたが、加入者数・加入口数ともに増勢で総会をむかえるには至っていません。労働組合の自主共済運動を前進させ、増勢に転じる新しい流れに本格的にとりくむことが求められています。

 ② 愛知共済会事務局と愛労連四役との懇談を2回開催し、愛労連として共済活動の強化・前進のために、愛労連傘下の単産・地域労連での共済加入実態についての調査、愛労連としての共済活動交流会の開催、愛労連機関紙で共済活動をとりあげることなどを申しあわせました。

3.各機関のとりくみ

(1)女性協

 ① 婦人協議会から女性協議会に名称を変更し、結成21年目をむかえた第21回定期総会を、7月3日におこないました。東館ホールに51人が参加し、「男女平等をすすめ、人間らしく生き働く権利」を守る運動にとりくむことを確認しました。9月17日~18日には宿泊幹事会をおこないました。1月10日、女性協20周年記念として「新春のつどい」を開催し、90人が参加しました。歴代の役員や全労連女性部長、県知事・名古屋市長選挙予定候補者から来賓としてあいさつ。20年をふり返るスライドの上映や、当時のとりくみを歴代役員から発言してもらいました。6月9日には愛知労問研理事の駒田富枝さんを講師に迎え、母性保護学習会をおこないました。6月24日に、労働局雇用均等室へ要請をおこないました。

 ② 愛労連女性協から全労連女性部へ毎年、常任委員を派遣しています。9月11日~12日には全労連女性部第21回定期大会がおこなわれ、全国から約100人、愛知からは3人が参加しました。また5月20~21日にはブロック女性交流集会が三重県湯の山温泉でおこなわれ、6県から31人が参加しました。

 ③ 女性協9条の会は12月25日に、第4回総会をおこないました。全日本民医連名誉会長の莇昭三(あざみしょうぞう)氏が講演。この総会で新しく5人が加入し、82人の会員数となっています。年に1度の総会に集まるだけではなく、憲法改悪の動きに対し、宣伝を積極的におこなう必要があると確認しました。

 ④ 10月24日、42回目の「はたらく女性の愛知県集会」を女性会館でおこない、90人が参加しました。集会は民主団体も参加した実行委員会形式でおこなってきました。3.8国際女性デーにも女性協から実行委員を派遣し、とりくんでいます。女性会館には110人が集まり、「ジェンダー平等で人にやさしい社会を~人権と平和の価値を守る日本国憲法と共に~」と題した講演を愛知大学・長峯信彦教授から聞きました。5月7日には第1回目の憲法宣伝を丸栄スカイル前で開催し、自治労連女性部5人、愛労連女性協4人の参加者でティッシュを800枚配布しました。

(2)青年協

 ① 9月18日~20日、第19回ブロックサマーセミナーが富山県で開催されました。80人をこえる参加があり、「仲間づくり」をメインテーマに、参加者は労働組合の大切さや仲間づくりについて学びました。また、サマセミをきっかけに労働組合への加入もあり、年々そのとりくみの成果があがっています。10月3日に鶴舞の「スポルト名古屋」で、ボウリング大会を開催し、10単産から43人が参加しました。職種や年齢などをこえて仕事の悩みから趣味にいたるまで交流ははずみました。

 ② 10月26日に代表委員会を開催し、7単産から14人が参加。「青年はいるが、職場が多忙で、青年協への参加はきびしい。そんななかでもボウリング大会に参加した人は楽しめ、また視野も広がった」(愛高教)、「若者とベテランのギャップに苦しむこともあるが、積極的に休みを取って企画に参加しようと思う」など活発な意見がでました。

 ③ 月2回の幹事会を定例化し、会議のはじめに短時間での学習会を位置づけることでとりくみの意義を事前に学べ、役員の交流にいかすこともできました。今年は役員の数が多いことから、例年以上に多分野での活動の幅を広げてきました。また、会議で不足する部分は、メーリングリストを活用して運営するなどの工夫もしました。不定期ですが、愛労連機関誌で青年協のとりくみを紹介・発信することができました。

 ④ 11月29日、愛労連青年協第21回定期総会を開催、参加者は34人でした。関西勤労者教育協会・中田進氏の「組合という居場所」というテーマでの記念講演の後、総会をおこないました。12月12日には、情勢学習として市政を考える「市政をしゃべらないと」を開催、23人が参加しました。

(3)専門部・部会

1)パ臨連

 ① パート・臨時労組連絡会では、官製ワーキングプアをなくし、同一労働・同一賃金をめざすたたかい、最低賃金引き上げを求める運動や、ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を求めたとりくみをすすめました。最低賃金引き上げのたたかいでは、パ臨連幹事会から2人が最賃審議委員に立候補し、宣伝行動や労働局・賃金課の交渉に参加しました。

 ② 8月6日には、全労働・雇用均等室分会の杉本氏を招いて「改正育児・介護休業法」やパート労働法の生かし方について学習会をおこないました。参加者からは「同じ仕事内容で時間もかわらないが、異動のあるなしで正規とは賃金格差がある」「公務員に適用されない」など職場の実態や悩みが多くだされました。

 ③ 10月16日には金山駅南口でパ臨連が中心となってディーセントワークデー宣伝をおこないました。自分たちの思いをそれぞれに語り、非正規労働者の処遇改善を訴え、署名にもとりくみました。参加が役員中心となっており、広いよびかけが必要です。

 ④ 10月30日、全労連非正規センター総会の第3回総会がおこなわれ、全国から55人、愛知から3人が参加しました。翌日は全労連パート・臨時労組連絡会10周年記念レセプション&総会が開催されました。

 ⑤ 2月27日には42人が参加し、第7回パ臨連総会と第15回元気の出る集会を同日におこないました。総会の発言では愛高教から臨時教員の実態が語られ、自治労連では名古屋検針員労組が結成時の90人から126人へと仲間を増やした報告がありました。集会の記念講演はANA客室乗務員である尾崎恵子氏。たたかいで要求前進してきた経過と現在のJALの不当解雇事件について話がありました。2つの企画を同日におこなったことで、参加者同士の交流が深まらなかったことは反省点であり、今後は春と秋にわけておこなうことを確認しました。

 ⑥ 各産別でも非正規労働者むけのとりくみが広がっています。2月には医労連で非正規むけの学習交流会を開催し、17人が参加。要求前進には数を増やすこと(仲間づくり)の大切さが話されました。国公一般愛知は学習会や宣伝行動をおこなっています。自治労連は公共評が中心となって「誇りと怒りの大運動」を展開。非正規労働者の声をアンケートで集約しながら、仲間づくりにも奮闘しています。建交労や生協労連では日常的にニュースの発行、交流会を成功させています。

2)民間部会

 ① 民間企業の労働者を組織する単産の共通課題を追求する協議会として活動してきました。おもに、1)定期的な事務局会議の開催と年に1回の幹事会の開催、2)未組織宣伝行動、3)労働者性をめぐるたたかいの共同、4)不安定雇用をなくすたたかいの共同、5)物資販売の活動です。次世代育成をめざした学習会の開催は実施することができませんでした。

 ② 2010年8月3日、民間単産代表者会議を開催し、民間部会としての体制の確立を確認しました。その後事務局会議と幹事会の開催を定期的におこない、会費の徴収もほぼできるようになりました。

 ③ 民間単産の共通の課題である未組織労働者の組織化のために、秋(9月29日~30日)、春(3月17日~18日)の2回未組織宣伝行動をおこないました。

3)交運部会

 ① 10年8月12日、第17回定期総会(6単産・部会から25名が出席)を開催しました。

 ② 11年2月27日、11年春闘勝利、愛知自動車デモを開催しました。今年度も、輸送の安全・安心と交通運輸労働者の賃金・労働条件の改善を求め、車両約60台・参加者約120人で港区「稲永埠頭」から三の丸まで自動車デモをおこないました。今年は、東海テレビでの放映のほか、中日新聞等での報道もされました。

 ③ 4月8日~11日、東日本大震災被災地への救援物資を輸送しました。交通運輸部会独自の支援物資として、軽自動車1台と折りたたみ自転車4台を宮城・岩手の各県労連に寄贈することを決め、4月8日から11日にかけて谷藤事務局長らが直接届けました。

 ④ 中部運輸局、愛知運輸支局、中部地方整備局、愛知労働局、愛知県、名古屋市、NEXCO中日本に対し、交通政策要求をかかげ、10年8月上旬に交渉を実施しました。また、各交通モードの要求内容を理解するための要求交流集会も6月14日に開催してきました。

 ⑤ AICHI陸海空港湾労組連絡会のとりくみについて、愛知県内の交通運輸関係労組が連帯して「平和課題」を中心に活動を展開しています。定例的な事務局会議の開催のほか、今年度は「震災と交通運輸」をテーマとした合宿交流集会を5月8日~9日に、蒲郡・ホテル竹島でおこない、25名が参加しました。また、国労が主催した「年金学習会」(2/4)にも参加してきました。


第2章 情勢の特徴とたたかいの展望

1.悪化する労働者・国民のくらし

(1)日本だけが下がり続ける賃金、高失業率、広がる〝心の病〟

 ① 日本の労働者の賃金は下がり続けています。OECDの調査によると、この10数年間のGDP(国内総生産)の伸び率は、G7の主要国が20%台以上の成長をとげるなか、日本はわずか0.4%にとどまり、賃金の伸び率はマイナス5%となっています。09年は前年比で23万円(5.5%)も減少しています。国税庁の調査では、年収200万円以下の労働者が1099万人にも達し、15歳から34歳の労働者が自立して生活できるのは、正規労働者でも51.6%、非正規労働者では30.3%という結果がでています。

 ② 非正規労働者は全労働者の3分の1をこえました。とくに女性労働者、若年労働者では2分の1に達し、きわめて不安定な雇用のもとで働いています。派遣労働者は統計上減少しているものの、今回の震災においても、製造業現場を中心に「雇用調整弁」として大量に雇い止め・解雇が頻発しています。

 ③ 失業率も高止まりです。総務省調査では11年4月の完全失業者数は309万人、2010年は5.1%の失業率です。特徴的なのは15~24歳の若年層の失業率が9.4%と高く、この春卒業した大学生の就職内定率は91.1%と過去最低を記録しました。自殺者も13年連続で3万人をこえています。「経済状況、生活苦が理由」とした人は7400人、うつ病や就職の失敗を理由とした20代が153人と大幅に増加しています。

 ④ 女性の雇用者数は2329万人(2010年)となり、前年に比べ18万人増加(前年比0.8%)し、過去最多となりました。うち正規職員が1046万人(前年同)、非正規職員が1218万人(前年差22万人増、前年比1.8%増)です。はたらく女性は増えていますが、男女間の賃金格差は、一般労働者69.3(前年69.8)となり、前年に比べ格差がやや拡大しています。育児・介護休業法が改正されたものの、男性の育休取得率は1.72%(09年)にとどまっています。セクハラ・パワハラの撲滅とともに、職場での女性の地位向上のとりくみが求められています。

 ⑤ 正規労働者の職場では、依然として長時間労働・不払い残業、心疾患など労災職業病がたえません。とくに、大企業職場では製造現場にかぎらず、技術部門でも過密労働が強いられ、精神疾患をわずらう労働者が増えています。厚労省の調査によると、うつ病患者は1999年の44万人が2008年には104万人と、じつに倍以上に増えています。労働者の「心の健康」がおびやかされています。正規労働者の職場は、長時間労働、成果主義によるノルマの強要、パワハラは日常化しています。

 ⑥ 政府は6月3日、国家公務員の賃金を3年間、10%引き下げる法案を閣議決定しました。地方公務員や関連労働者、さらに民間企業の賃下げにもつながるものです。しかし、政府は労働組合の反対運動や各界からの疑問の声の前に強行することができず、7月20日現在で、見通しがたっていません。法案を撤回させるまで、引き続きとりくみを強めていく必要があります。

(2)ワーキングプア・貧困層の拡大

 ① 非正規労働者の増大にともない、貧困が拡大しています。正社員の生涯賃金(18歳から60歳の賃金合計)は規模10人以上の企業で2億2000万円以上、正社員以外では1億2000万円と1億円以上の較差があります。低収入である母子家庭世帯は、74万9000世帯(05年)、5年間で19.7%増加しています。「就学援助制度」の受給対象児童数は09年度で過去最多の148万人をこえました。自治体に働く非正規職員は、49万8000人(全体の比率は35.5%)に達し、その多くは年収200万円以下の「官製ワーキングプア」です。

 ② 09年度の生活保護受給世帯は127万世帯になりました。解雇・派遣切りで仕事を失い、次の仕事がみつからず、生活保護を申請する〝現役労働者〟が急増しています。親の貧困が子育てに深刻な影響をあたえています。09年度の児童相談所で対応した児童虐待相談件数は4万4210件と過去最高を記録しています。いじめの認知件数は7万3000件、小・中・高等学校の暴力発生件数も6万1000件にのぼり、小・中では過去最高になっています。さらに深刻なのは小・中・高あわせて過去10年間、毎年300人もの子どもが自らいのちを絶っているということです。

(3)その一方で、大企業はボロ儲け

 ① 労働者の低賃金化、貧困の増大の一方で、財界・大企業は不況のなかでも利益をあげています。資本金10億円以上の企業の内部留保をみると244兆円、この10年間で128兆円も増やしているのです。この内部留保の源泉は、労働者や国民が生みだした「社会的富」を財界・大企業が〝搾取〟したものです。財界・大企業は「国際競争力強化」をさけび、徹底した労働分野における規制緩和と国民負担増を政府にせまり、民主党政府もこれに応えています。

 ② 08年のリーマンショック後、大企業は営業利益を急速に回復させました。自動車産業は海外での生産台数の増加と下請などのコストダウンによる効果だといわれています。電機産業も日立製作所は2010年3月期から1年間で営業利益を2.2倍に増やしましたが、これも部品単価切り下げが大きな原因です。震災によって、利益が減少するといわれていますが、それまでにためこんだ利益があり、下請単価や人件費を削減する理由はまったくありません。

 ③ 経団連は今回の震災復興を「儲けの場」とみなし、「復興特区構想」などを主張し、企業減税やインフラ整備などを優先的におこなうよう政府に求めています。まさに「復興利権」をあさるもので、被災者や現地をないがしろにしたやり方を許しておくわけにはいきません。

 

2.民主党政権と自公による「大連立」のねらいは悪政推進

 ① 震災から4か月経過したにもかかわらず、被災地はいまだガレキにおおわれ、多くの人が避難生活を余儀なくされています。仮設住宅建設の遅れ、原発事故の収束の遅れなど政府の対応のまずさが露呈しています。ところが自公は、菅内閣では復興はできないなどと「内閣不信任案」を提出。その後も「(菅首相は)いつやめるのか」など被災地・被災者そっちのけで〝政局〟に終始しています。その裏で、「復興」や「税・社会保障の一体改革」を口実にした消費税大増税では手をむすんで一気にすすめようとしているのです。

 ② 震災復興、あるいは原発の収束にむけて政治も国民も力をあわせるのは当然です。しかし、民・自公の「大連立」は、悪政を推進するための野合でしかありません。「震災復興」を口実に、「新自由主義・構造改革路線」と、憲法改悪・消費税大増税、「日米同盟の深化」「TPP参加」の政治をすすめようというものです。

(1)見逃せない悪政の数々――憲法・教育・社会保障など

 ① 憲法改正を協議する憲法審査会規定が5月18日に参議院で成立しました。また6月7日には「憲法96条改定」議員連盟が発足。これは憲法改定を発議する全国会議員の「3分の2」という規定を「2分の1」にし、改悪をしやすくする策動です。衆議院では09年に規定を定めており憲法改正にむけて、震災や原発事故の影でうごき出しています。また民主党はかねてから「1票の格差」の是正を口実に、衆議院の比例定数削減を打ち出しており、予断を許さない状況になっています。

 ② 民主党政権は、「普天間基地移設」問題では圧倒的な県民の願いを裏切り、米軍再編強化・普天間基地撤去と辺野古への新基地建設をセットで県民におしつけています。さらに危険なオスプレイの配備をすすめようとしています。在日米軍駐留経費負担や米軍訓練の移転経費として約153億円(09年度まで)を支出してきました。

 ③ TPP(環太平洋連携協定)への参加について、アメリカいいなりで、震災後も参加への〝意欲〟をみせています。TPPへの参加は震災復興を妨げるばかりか、日本の経済・社会に壊滅的な打撃をあたえます。一部輸出大企業の利益のためにTPP参加を許すわけにはいきません。

 ④ 政府が検討する「税と社会保障の一体改革」では、安定財源の確保にむけ、消費税を段階的に10%に引き上げることを打ち出しています。「医療・介護」では2025年を目標に、病院ベッド数・入院日数の削減、介護施設をへらし、居宅介護を重視、「年金」では支給開始年齢の先のばし、「生活保護」では貧困対策を口実に給付の削減をすすめようとしています。国民に負担増は求める一方、社会保障給付は徹底して削減するなど、許しがたい「改革」をすすめようとしています。

 ⑤ 国連・子どもの権利委員会は2010年6月11日、子どもの権利条約に関する第3回の日本政府報告書の審査に対する最終所見を採択しました。「高度に競争的な学校環境が就学年齢にある子どもたちの間のいじめ、精神障害、不登校・登校拒否、中退および自殺の原因」になっていると指摘しています。

 ⑥ 12年度から使われる中学教科書の検定結果では、教科書は「神話の復活」「昭和天皇の美化」「第二次大戦の反省にいっさい言及しない」特異な見解をみせており、「竹島・尖閣諸島問題で政府見解をおしつける」など違法な政治介入があります。こうした動きにつながるように、橋下大阪知事が代表をつとめる「大阪維新の会」が、府内の公立学校で「君が代」斉唱時に起立を義務づける条例案を6月3日に可決しました。前例のない暴挙です。アジアへの侵略戦争の旗印となった「日の丸」の強要や「君が代」斉唱時の起立強制は、戦時中の「思想統制」にむかう第一歩といえます。

(2)財界の支持を得て大企業の利益優先政治を推進

 ① 自公・民主党政権がすすめてきた「新自由主義・構造改革」路線は、大企業の利益を擁護する政治そのものです。労働者派遣法の改悪をはじめ労働法制の規制緩和は、非正規労働者の解雇を容易にし、今日の貧困や格差拡大を生みだしました。菅内閣は、発足直後に法人税減税をうちだし、また証券優遇税制の減税を延期するなど大企業・財界には大盤振る舞いです。

 ② 構造改革路線は、国のあり方・地域のあり方を大きく変容させてきました。憲法第25条にもとづく、国民の生活における国の責任を放棄、市町村合併などで地方自治を住民から遠ざけ、人の住めない地域をつくりだしました。「地域主権改革」「道州制」は、さらに地域社会を疲弊させ、産業の衰退を引きおこすものとなります。社会保障制度も「自助努力」を押しつけ、「応能負担原則」から「応益負担」へとしくみを変えてきました。

 ③ トヨタの国内生産台数が震災後の3~4月には8割減となったことから、下請企業は震災後2か月間で7割が休業、1割以上の企業が人員削減をおこなったといわれています。(5/29朝日)。朝日新聞独自のアンケートでも「トヨタは利用するだけしてこういう事態になると冷たい」「これ以上のコストダウンを要求しないでほしい」など中小零細企業のきびしい声がよせられています。トヨタカンバン方式を容認し、下請二法を守らない大企業を野放しにしてきたことが、今日の下請企業の経営を危機的状況に陥れている最大の原因です。日本経団連は、なおも労働法制の規制緩和を政府に求め、また政府も「新成長戦略」で、海外進出をすすめる大企業を後押ししています。

 

3.東日本大震災と労働者のたたかい

(1)東日本大震災・未曾有の大災害

 ① 3月11日、観測史上最大となるマグニチュード9.0を記録し、東北・北関東を襲った震災による死者・行方不明者は、あわせて2万3000人(6月1日現在)をこえる大惨事となりました。4か月が経過した7月段階でも避難者は、10万人をこえています。厚労省は、震災後から5月22日までに岩手・宮城・福島の東北3県で失業や休業した人が合計11万1573人になったと発表しました。愛知県小牧市に本社のある「コロナグループ」は、仙台市内の2つの事業所が被災し、事業が継続できないことを理由に568人のアルバイトを解雇するなど、非正規労働者・派遣労働者の大量解雇も増えています。5月に入ってようやくコロナ本社は、宮城一般との交渉に応じ、事業再開にともない、あらためて雇用することを約束しました。さらに、宮城の各自治体は、「被災者」を臨時職員と雇い入れて仕事をさせていますが、時給は最低賃金に限りなく近い水準です。宮城県全体で4000人が採用されていますが、これでは生活再建にはならず、ワーキングプアをつくりだすようなものです。

 ② 震災復興にむけた「復興基本法案」が成立し、6月24日交付・施行されました。その後の「復興構想会議」による第一次提言でも「所得税増税」など国民負担増が主張され、「復興特区」では漁業への民間資本の投入なども含まれています。いま復興をめぐる対決点は、1)被災地・被災住民のコミュニティを重視した復興計画か、それとも道州制をにらんだ「東北」の一体的な計画を中央集権的にすすめるのか、2)地域産業再生による地域の雇用創出か、それともグローバル企業の利益擁護の立場から「国際競争力のある国内外に誇れる経済圏の創出か」にあります。

(2)人災・原発事故のもとで

 ① 東京電力・福島第一原発は地震と津波によって破壊されました。これまで「絶対安全」と主張してきた原発ですが、事故の規模は1986年のチェルノブイリ原発事故に匹敵するもっとも危険な「レベル7」となり、今なお福島県民のみならず近隣の住民に多大な被害をあたえています。今回の原発事故は明らかに人災です。送電線の鉄塔が倒壊、外部電源が断ちきられ、津波によって取水ができなくなりました。これによって地震当初から炉心溶融(メルトダウン)が引きおこされました。東電は今回の地震・津波を「想定外」だと言い逃れをしています。あやまった「安全神話」をふりまき、「過酷事故」はあり得ないと繰り返し主張してきました。今回の事故は、それが何の根拠もなかったことを示したのです。

 ② 原発の被害は住民の生活と産業に多大な困難をもたらしています。放射性物質という直接的な被害にくわえ、風評被害が被災者をいっそう苦しめています。事故発生から4か月、避難住民への賠償一時金の支払いに続き、被害農林漁業者への賠償仮払いがはじまる予定ですが、中小零細企業は深刻な状態にあり、一刻も早い対応が求められます。賠償の費用はすべて東京電力とそれに協力してきた大企業・銀行が負うべきで、国民の税金にたよることは許されません。

 ③ 政府は世論に押されて5月6日、中電に対し浜岡原発の「運転停止」を要請しました。中電も承諾し5月14日にすべての原発をとめましたが、「津波対策が完成したら運転再開」の意向を明らかにしています。しかし浜岡原発は、想定される東海地震の震源域の真上にあり、「一時停止」ではなく「廃炉」にするしかありません。ところが政府は現在停止している原発について「安全確保」が確認できれば運転の再開を求めることを明らかにしました。これは福島第一原発の事故が収束の見通しもたたないまま、また国内外に広がる〝脱原発〟の世論にそむくものです。最近になって政府は「ストレステスト」の実施を求めましたが、そのやり方は電力会社が実施、これでは「安全」「早期運転再開」のお墨付きをあたえるようなものです。

 ④ 九州電力・玄海原発をめぐって、九電のなりふり構わぬ「運転再開」というやり方に国民的な批判が高まりました。九電は国が主催した「説明会」で、下請会社・社員に〝やらせメール〟を投稿するよう指示していたことが発覚。当初否定していたものの隠しとおせず、社長が謝罪しました。九電のこうした日本国民を愚弄するやり方は糾弾されるべきです。

 ⑤ 全労連は原子力発電所への対応について「化石エネルギーに依拠した政策から、太陽光や水力・風力・バイオマス・地熱発電などを中心にした自然エネルギー中心へ計画的に切り替えること」を求めています。日本には現在、原発が54基ありますが、そのうち定期検査中のものを加えると、今後42基の原発が停止することになります。エネルギー政策の抜本的な転換・見直しが急務となっています。

 ⑥ 愛労連は6月13日、中部経済産業局、中部電力に浜岡原発の停止・廃炉を求めて要請をおこないました。7月23日には静岡市駿府公園で開催された「浜岡原発廃炉」をめざす集会に参加し、そのあと浜岡の施設について、世界一危険な浜岡原発を中電がいかに安全であるかのようにアピールしている実態を視察しました。

 

4.愛知県・名古屋市をめぐる情勢の特徴

(1)愛知県政をめぐる情勢

 ① 先の知事選挙で大村知事の率いる「日本一愛知の会」と河村市長を党首とする「減税日本」はあわせても多数派を形成することはできず、自民党が単独で過半数を占めることになりました。そのため知事の看板公約である「減税」についてはただちにすすめることはむずかしい情勢です。一方、トヨタなど大企業が希望する道路、港湾整備などは積極的にすすめられています。

 ② 県においても「防災計画」の大幅見直しが必要です。東日本大震災をうけて年内にも県地域防災計画の大幅な見直しがおこなわれることになりました。見直しにあたっては、住民生活に密着した基礎自治体の役割がたいへん重要です。とりわけ広域合併した旧町・村では役所が遠く、職員も少ないためライフラインや行政機能の回復が困難で「陸の孤島」になる恐れがあります。想定されるM9.0の地震にそなえ、耐震強度、津波対策、液状化対策など住民のいのちを守る対策が求められています。公共事業を防潮堤・岸壁・堤防やライフライン強化などの防災工事にふりむけることが必要です。その際「住宅リフォーム助成制度」のように地元企業が優先的に受注できるようにして、地域経済の活性化と雇用拡大につなげることが重要です。

 ③ トヨタは7月から9月の「木金休み、土日稼働」を下請企業にも押しつけてきています。他の自動車メーカーに比べても地域集中が強く、さらに「カンバン方式とジャストインタイム」をとっているため、住民生活に非常に大きな負担をあたえています。末端まで在庫をもたないカンバン方式を徹底しているため、この震災でも一部の部品が入らないだけですべての下請企業が休業を余儀なくされました。トヨタの電気代節約のために下請企業や保育園などが全日稼働させられています。愛知県には中電やトヨタに住民生活への影響を最低限に押さえるよう指導する責任があります。

 ④ リーマンショックでトヨタだのみが破たんし、財政危機におちいるなかで、県債の大増発、福祉事業の抑制、職員給与の削減など県民に負担を押しつけてきました。その一方で大村知事も、設楽ダム・徳山ダム導水路計画、高速道路、中部国際空港二本目滑走路、トヨタテストコース用地造成など大企業応援の大型開発事業をすすめようとしています。トヨタ優遇の大型開発事業はやめさせることが重要です。一方で蒲郡市など住宅リフォーム助成制度を活用して地域の仕事や雇用を増やし、県民に歓迎された自治体もあります。

(2)名古屋市政をめぐる情勢

 ① 早くも「減税日本」が大揺れです。河村市長のパフォーマンスで市議会第一党となった「減税日本」ですが、議員報酬問題や政務調査費、港湾議会議員手当の受け取りをめぐって意見対立がおきています。そうしたなか河村市長の元秘書で「減税日本」市議団長の則竹議員が昨年末に費用弁償を受け取り、また政務調査費を私的に使っていたことが明らかになりました。費用弁償も政務調査費も「減税日本」の看板公約であり、党首である河村市長の責任は避けられません。則竹議員は辞任に追い込まれ「減税大揺れ、河村氏求心力低下・分裂懸念も」(6/6朝日)と指摘されています。

 ② 名古屋市長は「減税」より保育、震災対策を充実すべきです。今年度は「減税」がおこなわれず、保育園を計画どおり増設することができました。しかし景気の悪化が続き、共働きなどで仕事を求める保護者がこれまで以上に多くなるなか、名古屋市の待機児童数は昨年と比べて倍増し、政令指定市で全国トップになっています。待機児対策は待ったなしです。また市長に対抗する自公民も反対して保育料の引き上げが中止され、中区の短歌会館も一転して存続することになりました。市長は陸前高田市に職員を「パッケージ」派遣していますが、減税より災害支援、防災対策の世論が高まっています。

 ③ 河村市長は、定員削減、民営化を拡大しています。「減税」は一時停止しましたが、職員の賃下げと定員削減は引き続きおこなわれています。保育園がたらないのに公立保育園をつぶし、民営化をすすめました。城西病院を売却先の法人が不正で処分され、指定管理にすることにした緑市民病院は受ける法人があらわれずに、さらに条件を引き下げる心配がでています。職場では生活保護のケースワーカーが基準の2倍近くのケースを持つなど人員不足が蔓延しています。

 

5.ルールある経済社会への転換をめざして

(1)期待が高まる全労連・愛労連のたたかい

 ① 全労連・愛労連は震災直後から、街頭などの支援カンパに加え、救援物資集めやボランティア活動にとりくんできました。春闘のまっただ中での大災害であり、要求をかかげ続けることをためらう声もありました。しかし労働者・国民のくらしの改善を求めてたたかうのは、私たち全労連・愛労連の社会的役割です。どんな場合でも労働者のくらしを守るという立場にたち、「いつでもかけこめる労働組合」として多くの労働者のなかに知らせていくことが重要です。

 ② 愛労連の労働相談にも震災を理由に「無休での休業を言われた」など労働条件引き下げや解雇の相談がよせられています。今後、賃金の引き下げ攻撃が強まることも予想されますが、夏期闘争では、震災での被災者支援とともに「雇用破壊や賃金引き下げでは経済の活性化につながらない」ことを強く打ちだす必要があります。また、社会保障の改悪や増税が震災の復興に悪影響をあたえることを世論に訴え、労働者のくらしを守るタテとなってたたかいに全力をあげることが求められます。

(2)労働者・中小企業が元気になる経済・地域社会を

 ① 政府による公務員賃金の削減が強行されれば、民間労働者への影響もさけられず、景気悪化や地方財政悪化をも加速させます。賃下げでは経済の立て直しは不可能であり、震災復興も遅れてしまいます。その前に、政党助成金や軍事費(思いやり予算)など削減すべきムダ遣いがあります。官民共同のとりくみで公務員攻撃による悪の連鎖を断ち切るたたかいが必要です。

 ② 4月28日に日本経団連は震災からの復旧・復興のためと称して171項目もの規制緩和要望を政府あてにだしています。内容は「労働時間規制の弾力化」や「有期雇用の上限期間緩和」など労働基準法の規定の緩和を求めるものが中心です。また6月16日、全国37都道府県の経営者協会が、中央最低賃金審議会、厚生労働省に対して最低賃金引き上げの抑制を求めて要望書を提出しました。震災復興と経済再生には賃金の底上げこそ必要な手立てです。

 ③ 中小企業調査では、きびしい経営状況のなかでも高品質のモノづくりにこだわる経営者の思いと、若い世代への技術の継承に苦慮している状況、融資や施策などの支援を求める声が多くよせられました。政府が閣議決定した「中小企業憲章」は、政府としてはじめて「中小企業政策にとりくむにあたっての基本原則や、政府としてすすめる「中小企業政策の行動指針」を示しています。憲章を理念のままにさせず、中小企業の経営と地域経済を守り、労働者のくらしを守るとりくみを広げていくことが求められています。

 ④ 「地域主権改革」では保育所や高齢者・障害者施設、公営住宅などの運営についての「最低基準」を放棄し、自治体の条例にゆだねることになりました。憲法に定められた「人として最低限度の生活を保障する」のは国の責任です。また、労働基準監督署や公共職業安定所の事務・権限を地方委譲するなど、自治体の判断で民間委託する方向が打ちだされました。人員削減はかならずサービスの低下につながり、労働者保護行政が低下することが危惧されます。

 ⑤ 公契約条例制定の動きが広がっています。千葉県野田市や神奈川県川崎市では条例制定により低入札価格のしわよせで低賃金に苦しむ下請業者や労働者への最低限の賃金ルールづくりが一歩すすみました。札幌市でも条例化の動きがでています。被災地の復興でも大規模な公共事業が開始されています。被災者に専門性に応じた適正な賃金・報酬が支払われるよう、国や自治体は条例制定で最低生計費保障はもとより、公務員賃金水準を保障するべきです。

 ⑥ 地域経済の活性化と経済効果の大きさが実証された「住宅リフォーム助成制度」は、江南市でも実施されました。予約が殺到するほど、住民には人気があります。蒲郡市や江南市での経験を整理し、全県に広げていくとりくみが必要です。とくに、建設関連産業は、仕事がまったくないという状況におちいっており、仕事があってもきわめて低い賃金で働かされています。地元の建設関連事業者は、災害がおきた場合、もっとも必要な存在になります。建設産業の育成のためにも公契約条例や住宅リフォーム助成制度は必要です。

(3)ディーセントワークをめざすとりくみを

 ① 雇用破壊・賃金破壊が常態化しています。震災に「便乗」した賃下げ・解雇はさらに拡大する可能性があります。労働者の生活破壊では震災復興も経済の立て直しもできません。労働者が安心して働ける環境を一刻も早くつくりあげていくことがディーセントワークを求める運動です。

 ② 日本航空(JAL)のベテラン乗務員に対する「整理解雇」事件、また社保庁職員の分限免職は、国による労働者の首切りです。これでは民間企業ですすめられている労働者の解雇に〝お墨付き〟をあたえるようなものです。解雇撤回を求める共同のとりくみが必要です。労働者全体の課題として位置づけてたたかう必要があります。

 ③ 一方で、新国立劇場の合唱団員やINAXメンテナンスCEについて「労組法上の労働者」と認める判決をかちとりました。名古屋地裁でも有期雇用で働くブラジル人労働者に対し、「雇い止めは不当」と地位確認されました。有期雇用や委託・派遣など不安定労働者であっても労働組合を結成して交渉で職場の改善や要求前進ができます。労働組合の存在意義を大きな世論とし、労働者全体を視野に入れた運動がどれだけつくれるか、愛労連のたたかいが注目されます。


第3章 2012年のたたかいのかまえ

【1】要求実現のたたかいと共同の追求

1.賃金と雇用、働く権利を守るたたかい

(1)賃金の引き上げ、最低賃金の大幅引き上げを

 ① 賃金引き上げのたたかいを前進させます。とくに十数年にわたって、労働者の賃金が低下している状況のなかで、「要求しても無理ではないか」という発想や「震災でたいへん。それどころでは」など、消極的な対応になる可能性があります。また財界はこれらを理由に「賃上げどころではない」という攻撃を強めてくる傾向があります。しかし、賃金闘争は財界全体と労働者全体のたたかいであり、個別企業の枠をこえて世論に訴えていきます。

 ② 「思想攻撃としての賃金切り下げ攻撃」とどれだけたたかうことができるか、職場での議論がその方向でできるかどうかが問われます。「最低生計費(時間額換算で1286円)」を要求の基礎に、職場・地域での賃金闘争をすすめます。職場での賃上げに対する「あきらめ感」を克服するために、職場討議を重視します。そのため早い段階から役員を中心に学習をくり返すなど、とりくみをすすめます。

 ③ 賃金の底上げ、企業内最低賃金の構築をめざします。職場の非正規労働者に視野を広げ、賃上げをめざします。最賃引き上げ要求では、職場や地域での宣伝署名行動を軸に、とりくみを広げます。

 ④ 均等待遇の実現をめざします。同一労働同一賃金の原則の確立をめざします。男女賃金格差、雇用形態別の賃金格差など、実態を明らかにしながら格差をなくす運動をすすめます。

 ⑤ 公務員賃金闘争を積極的に推進し、関係単産への支援を強めます。人事院勧告制度が廃止され、基本的に労使交渉による賃金・労働条件を決定するしくみに変わります。労働協約締結権回復とはいえ、政府がすすめる「公務員制度改革案」は、さまざまな問題点・制約があります。制度改善とともに、官民一体の賃金闘争を推進します。

(2)公契約法・条例化、最低賃金引き上げのたたかい

 ① 公契約法・条例制定を求める運動を引き続きすすめます。公務関連職場における官製ワーキングプアの解消、公共サービスの質の向上をめざします。また条例化に至らなくても、全国的な広がりをみせている「労働条項を含む総合評価方式」や新宿区の「労働環境チェックシート」などを参考に、「価格のみによる入札制度」の改善を求めます。昨年とりくんできた公契約懇談を今年もすすめます。

 ② 12月28日総務省自治行政局長の通達などを活用し、指定管理者制度や市場化テストの問題点などを明らかにし、これらも公契約の対象として、歯止めをかけるとりくみをすすめます。

 ③ 最低賃金引き上げのたたかいに全力をあげます。民主党政権がかかげた「800円・平均1000円」の早期実現と全国一律最賃制確立をめざします。震災を口実にした最賃抑制に反対し、賃上げと同様、震災復興・経済再生の基本に「最賃引き上げ」をすえてとりくみます。また中小企業支援策の実現を求めて共同を広げていきます。

 ④ 当面の行動として以下の宣伝行動を配置します。
 ・8月4日(木)8:00~  三の丸(市役所西庁舎前)
 ・8月10日(水)8:00~  三の丸(市役所西庁舎前)=愛知審議会の答申予定

(3)非正規労働者の使い捨て反対、労働者の権利・雇用を守るたたかい

 ① 低賃金の改善とともに不安定雇用をなくす運動が焦眉の課題です。均等待遇の実現、労働者派遣法の抜本改正、パート労働法の公務職場への適用など、非正規労働者の賃金・労働条件を守る運動を職場・地域ですすめます。

 ② INAXメンテナンスCEの最高裁判決をいかしたとりくみとして「個人請負」であっても実態からみて「労働者」であることが明らかな場合は、組合への結集と待遇改善のとりくみをすすめます。JALの不当解雇撤回、社保庁の不当解雇を許さないたたかいを積極的に支援していきます。

 ③ JMIU中外分会の裁判で、有期雇用労働者の「一方的な契約解除は解雇とみなす」という判決がだされました。有期雇用でも契約が更新(3回以上・1年以上)されている場合は、解雇権濫用法理を適用し、一方的な解雇は不当であるという今回の判例の意義をさらに広げていきます。

 ④ 東日本大震災後は、労働者だけでなく、中小事業者や農林水産業従事者にも新たな貧困問題が広がるおそれがあります。また原発など先がみえない不安やコミュニティの破壊による問題の増加も予想されます。反貧困ネットワークではこれまでにつくられた「ネットワーク」を広げるとともに「生活保護問題対策委員会」など専門的な力を強めていくことにしています。愛労連としてもこのとりくみに協力し、労働分野での役割を発揮していきます。また改正法施行から一年が経過した「外国人技能実習制度」について、「廃止」も含めた抜本的な改善を求めるなど、日本ではたらく外国人労働者の権利を守るとりくみをおこないます。

 ⑤ 非正規労働者や派遣労働者の弱みにつけ込んだ「貧困ビジネス」が社会問題化しています。こうした反社会的な行為をなくすために、その実態を告発するとともに、行政機関などに働きかけ、根絶をめざしたとりくみをすすめます。

 ⑥ 今年12月には県労働委員会委員の任命がおこなわれます。非連合からの任命をめざして県労委民主化会議を再開します。労働審判制度の活用について、さらに広く宣伝していきます。

 ⑦ 労働法制連絡会の活動を再開し、年内に総会を開催し、労働法制の改善にむけたとりくみを強めます。そのため、8月4日に代表委員・事務局合同会議を開催し、労働法制をめぐる情勢討議と総会を確定することとします。

(4)職場での権利確立のたたかい――不払い残業、労災のない職場をめざす

 ① 職場は人員が極端にへらされ、過密労働が日常化している職場もあります。またまったく仕事がなく雇用調整助成金を申請している企業もあります。職場の状態はまちまちですが、職場での権利・労働条件の確立のたたかいは引き続き重要な課題です。

 ② 不払い残業の一掃、年休取得率の向上など、労働基準法を生かし、身近な要求の獲得に力を入れた運動をすすめます。

 ③ 労災、セクハラ・パワハラをなくすたたかいを職場からすすめます。また労災・過労死をめぐる裁判がたたかわれていますが、積極的な支援をすすめます。職場における労働安全衛生活動の強化をめざします。

 ④ 増加している過労死事件、労災事故不認定事件、不当解雇、差別事件などへの支援を強めます。また、愛知争議団と協力して、全国の争議支援・連携を強化して争議を勝利させ、職場・地域から労働争議をなくす運動をすすめます。

 ⑤ ディーセントワークの意義、「人間らしい働き方」を職場や地域で広げ、毎月第3金曜日におこなわれている宣伝を職場内でも地域でも広げていきます。内容について、全労連が提起する「震災復興」「脱原発」をふくむものとします。

(5)中小企業の支援、地域経済の活性化をめざす

 ① 地域運動交流集会などをふまえ、労働組合が地域の課題で積極的に参加できるようにしていきます。すでにいくつかの地域労連や単産では経験があり、こうした活動を全県的に広げていきます。地域労連で「地域調査」ができるようにしていきます。

 ② 住宅リフォーム助成制度について、蒲郡市がスタートし、その後江南市が実施するなど、広がりをみせています。地元企業の育成、地域の活性化の目玉として全国的にも拡大しています。県内自治体が実施するよう、要請していきます。その際、そこに働く労働者の賃金・雇用の確保なども保障させていきます。

 ③ 地域経済の活性化や商店街の振興などで自治体当局への要請行動を、業者団体とも共同してとりくみを広げていきます。

 ④ 名古屋市内の中小企業アンケート活動の経験を生かし、調査活動が県内の地域でも独自におこなえるように援助します。

 ⑤ 農林水産業の活性化をめざし、農民連や関係団体との共同で学習会や政策提言、行政機関への要請行動に積極的にとりくみます。

2.大企業の社会的責任を追及するたたかい

  ① 震災の間接被害がもっとも多いのは東海圏であることが明らかになりましたが、これは自動車産業の部品供給を東北地方に集中させたことが原因です。この点からもトヨタの社会的責任を追及していきます。

 ② 今年も秋(11月予定)に第28回目となるトヨタシンポジウム、2012年2月には第38回トヨタ総行動を計画します。

 ③ 中小企業調査のとりくみの経験を生かして震災による被害やトヨタの海外生産シフトが愛知の地域経済にどのような影響をあたえるのか自動車産業に依存しない産業のあり方、地域経済の活性化などについて行政機関等への要請行動と、学習をくり返しすすめます。

 ④ 震災にともなう原発事故で、中部電力は仕方なく浜岡原発の停止を決めました。しかし東海地震の震源地の真上にたつ浜岡原発は廃炉以外にありません。中部電力に対する責任追及をすすめるとともに、中部経済産業局などへの要請行動を強めます。

 ⑤ 三菱電機派遣切り裁判が大詰めを迎えています。早朝宣伝や裁判傍聴など、支援をすすめていきます。解雇を撤回させ、職場復帰と正規社員への登用をめざすたたかいを積極的に支援していきます。

 

3.社会保障改悪・消費税増税反対、教育の拡充、国民のくらしを守るたたかい

(1)社会保障拡充のたたかい

 ① 民主党政権は、「税と社会保障の一体改革」のもとで社会保障の改悪にむけた策動を強めています。社会保障財源を消費税でまかなうことになれば、社会保障拡充か消費税増税かという構図がつくられてしまいます。中央行動、国会議員要請や愛知社保協の宣伝行動に積極的にとりくみます。

 ② 単産がすすめている社会保障拡充のたたかいを積極的に支援していきます。年金者組合がとりくんでいる最低保障年金の確立、後期高齢者医療制度廃止のたたかい、医労連による医師・看護師増員のとりくみ、介護職員の待遇改善、福祉保育労・名古屋市職労などがすすめる保育を守る運動など、社会保障制度前進のたたかいを共同してとりくみます。

 ③ 第13回あいち高齢者大会(10月18日)の成功をめざします。

 ④ 10月23日(日)の「福祉予算けずるな!県民集会」への参加をよびかけます。

 ⑤ 秋の自治体キャラバンを成功させます(10月25日~28日)。また保育・介護施設の最低基準引き下げに反対する大集会を秋に計画します。キャラバンにともない、事前学習会として10月19日(水)に開催される団長・事務局長会議に参加をよびかけます。

(2)消費税増税、負担増に反対するたたかい

 ① 消費税増税勢力は、「税と社会保障の一体改革」、震災復興財源に消費税増税をねらっています。消費税増税は低所得者ほど負担が重く、まして被災者にまで被害がおよぶものです。国民的な世論は「やむを得ない」という声もあります。大企業・金持ちに負担をせまっていく運動とあわせて消費税増税は危険であることを訴えていきます。

 ② 消費税増税反対の署名や宣伝を強化します。宣伝においては名古屋中心街でのとりくみのほか、地域でおこなえるようにします。

(3)子どもがいきいきと育つ教育の拡充を

 ① 子どもが危機的な状況におかれています。子どもの権利条約の視点にたった教育の改善をめざす運動にとりくみます。とくに、愛高教・愛教労などがおこなう署名行動などに積極的にとりくみます。

 ② 就職問題や教育問題など、学習会やシンポジウムなどの開催にあたっては、広く参加をよびかけていきます。

 

4.地方自治拡充、道州制導入反対、公務の民営化に反対するたたかい

(1)地方自治拡充のたたかい

 ① 議会機能の縮小や市町村合併の弊害をなくすとりくみをすすめます。

 ② 住民に身近な行政組織の構築は、今回の東日本大震災でも問われました。政府がすすめる「東北州」など、復興の名のもとですすめられようとしている道州制に反対します。限界集落が増加するなかで、住民が安心してその地域でくらせる行政の確立をめざします。

 ③ 今後、「地域主権改革一括法」にもとづく自治体が条例化する際の基準とされる政省令案と都道府県等における条例化に対して基準を引き上げさせ、改善させるとりくみを強化します。

 ④ 住民のくらしを守る公共サービスを拡充するために、民間委託、指定管理者制度、市場化テストの手法をやめさせ、公共サービスの質の維持・向上に努めるよう自治体に求めていきます。

 ⑤ 名古屋港の民営化や規制緩和等に対し、関係組合と協力してとりくみを強めます。

(2)公務員制度「改悪」に反対のとりくみ

 ① 民主的公務員制度の確立をめざします。政府は公務員労働者の「労働基本権付与」として、人事院勧告制度を廃止し、労使交渉による賃金・労働条件の決定システムを導入しようとしています。しかし全面的な「労働基本権」ではなく、「労働協約締結権」に限定され、憲法にもとづく労働基本権保障にはほど遠い内容です。

 ② 国・自治体によって対応が異なりますが、認証制度や登録制度では、労働組合の自主性を制約する内容もあります。問題を明らかにするなかで、完全な労働基本権回復をめざします。

 

5.TPP参加に反対するとりくみ

 ① 政府がすすめるTPP(環太平洋経済連携協定)参加阻止のために全力をあげます。TPPへの参加は、農業のみならず、日本社会を根底から破壊し、取り返しのつかない事態をまねくものです。食健連や農民連等とも連携してとりくみをすすめるとともに、労働者自身の問題でもある点を広く宣伝していきます。

 ② 「食料主権の確立」をめざし、関係団体と共同して、TPP参加が何をもたらすかなどについて、シンポジウムや学習会などを積極的におこないます。

 

6.東日本大震災の復興、「原発ゼロ」をめざすとりくみ

 ① 東日本大震災の復興にむけて、7月以降も救援物資や支援ボランティアを派遣します。

 ② 復興計画について、政府はこれを機に道州制や「特区」など、大企業本位の「復興計画」を押しつけようとしていますが、これに反対し、被災住民の目線にたった復興計画を求めていきます。

 ③ 原発事故はまったく収束の見通しがたっていません。福島第一原発の収束や中電・浜岡原発の廃炉にむけて、全労連の「提言」の内容をすべての組織に広げるとともに、署名行動に積極的にとりくみます。

 ④ 愛知県にとってもっとも危険な原発は、福井県敦賀湾に林立する原発群です。とくに、日本原子力発電所の美浜原発は1970年の運転開始から40年が経過しています。寿命は30年といわれていたのに、いまだに設備の延命をはかっています。福井県で、原発問題の学習会・交流会を下記の日程でおこないます。
   日時  8月20日(土)~21日(日)
   場所  福井県福井市および敦賀市

 ⑤ 原発問題にかかわる学習会を開催します。
   日時  10月8日(土)午後1時30分~
   場所  労働会館東館ホール

 

7.憲法改悪に反対し、平和と民主主義を守るたたかい

 ① あらゆる憲法改悪の策動を許さず、改悪のうごきに対して機敏な行動を配置してとりくみをすすめます。国民投票法を発動させないたたかいを展開します。憲法をめぐる情勢などの学習をすすめていきます。憲法改悪反対共同センターの地域版づくりと活性化にとりくみます。引き続き愛労連・憲法ニュースを発行し、単産・地域労連のとりくみを紹介し、激励していきます。

 ② NPT再検討会議の到達点をふまえ、職場・地域での反核・平和のとりくみをいっそう強化します。原水爆禁止世界大会、3.1ビキニデー、平和行進への参加を強めます。普天間基地の撤去を求める沖縄の運動に連帯し、オスプレイの配備反対、在日米軍基地撤去・拡充反対の運動にとりくみます。安保破棄愛知県実行委員会とともに、安保条約(廃棄)について学習と宣伝をすすめ、中立・平和の日本を築く運動をすすめます。

 ③ 菅政権は、「新防衛大綱」において「核の傘」強化を打ち出しており、核兵器のない世界実現への最大の障害となっています。愛労連はこうした事態を打開するため、組織人員数を目標に核兵器廃絶の新署名の集約にとりくみます。「被爆者が生きている間に核兵器の廃絶を」という強い思いをもって、新署名の活動をすすめます。原水爆禁止世界大会や国連総会などの節目に集約していきます。

 ④ 空中給油輸送機の配備など小牧基地の機能強化がすすんでいます。今年もブルーインパルス展示飛行にむけて策動がおきており、地元の尾中地区労連などとも協力して、反対運動をしていきます。10月23日(日)に開催される小牧平和県民集会への参加をよびかけます。自衛艦などの名古屋港入港、武器を携行しての行軍訓練、ソマリア沖海賊対策への派兵など平和をおびやかす動きには、安保破棄・平和委員会などとも連携して声をあげ、関係自治体などに要請していきます。

 ⑤ 国民の多様な意見や要求を圧殺する衆議院の議員定数削減反対のとりくみを強めます。

 ⑥ 9月3日(土)に9条の会が計画している「9条アピール行動」や「11月3日の県民集会」などに積極的な参加をよびかけます。

 

【2】組織強化・拡大の飛躍をめざして

1.組織拡大について

 ① 「組織拡大を愛労連運動の基本に」することを追求し、すべての単産が大会を純増で迎えられるようにします。

 ② 職場の未加入者を対象に加入をすすめます。直雇用、間接雇用にかぎらず、職場で働く労働者全員が愛労連の組合員対象者です。そのため職場ごとに全労働者の雇用形態と数の把握、新入職員数を把握し職場地図を作成します。

 ③ 引き続き、非正規労働者への加入のよびかけを重視します。

 ④ 全組合員が参加する組織拡大を追求します。単産のリーフレットや愛労連の権利手帳を組合員の手から未加入の労働者に広げる運動を展開します。各組織で「組織拡大推進ニュース」を発行することが大切です。メールやブログなども活用して、「組合員が増やす組織拡大」を促進します。

 ⑤ ティッシュなど宣伝物を活用します。愛労連ティッシュ(千個3000円卸)をつくります。各単産・地域労連宣伝物への愛労連広告(クレジット)補助をおこないます。

 ⑥ 地域での組織拡大をすすめます。地域労連の事務所や民主団体に「権利手帳」をおきます。自治体や公共施設にも権利手帳をおいてもらうよう要請します。

 ⑦ 組織拡大月間を設置します。秋の組織拡大月間(10~12月)、春の組織拡大月間(4~6月)を設定します。秋の月間では職場のすべての未加入、非正規労働者の組織化にむけたとりくみをおこないます。

 ⑧ 県下で上部団体に所属しない組合(759組合、115,887人)との共同・加入の働きかけを愛労連・単産・地域で連携して具体化し、加入訴えにとりくめるよう検討します。民間部会が計画する組織宣伝に積極的に参加していきます。地域で「組織拡大総がかり作戦」にとりくみます。地域を特定し、中立組合や事業所訪問などをおこない、愛労連・地域労連への加盟をよびかけていきます。

 ⑨ 11年秋の組織拡大月間にむけた「組織拡大決起集会」をおこないます。
   日時  9月28日(水)18:30~
   場所  労働会館東館ホール

 

2.組織財政検討委員会の設置

組織強化・財政の確立にむけて「組織財政検討委員会」を設置します。

 

3.職場・地域組織の強化について

 ① 全組合員参加の運動を追求します。いま職場組織は人員が削減され、残業が慢性化するなどゆとりのない働かされ方のなかで組合活動が困難になっています。愛労連「職場活動活性化交流会」を開催し、活性化にむけて議論をすすめ、職場における機関会議の定着やニュースの発行、世話役活動などの先進的な経験を把握し、広げていくようにします。

 ② 単産・地域労連がさまざまな課題を地域で推進するうえで、単産・地域労連がどう連携を強めていくか、また地域労連の強化・拡大に単産がどういう役割を果たすのかなど、要求運動と組織の強化をめざし、単産書記長会議のほか単産・地域労連代表者会議を年3回程度開催します。

 

4.役員の育成と組合員教育について

 ① 次世代をになう役員の養成について特別の「セミナー」(2泊3日程度)を開催します。これは自由参加ではなく、ある程度単産・地域から推薦をいただき、調整しながらすすめていくこととします。

 ② 愛労連セミナーを引き続き開催します。愛知労働学校、勤労者通信大学への積極的な参加をよびかけます。

 ③ 全労連が開催する全国交流集会への参加をよびかけます。
   日時  11月19日(土)~21日(月)
   場所  静岡県浜松市

 

5.地域労連の活動援助と活性化のために

 ① 地域運動交流集会を開催します。

 ② 地域での労働組合の役割を明確にしていく活動を重視します。地域に責任を負うのは地域労連だけではなく、単産も積極的に地域にでていく運動ができるようにします。

 ③ 地域労連の役員配置など、地域労連はさまざまな課題をかかえています。単産・地域労連代表者会議等で問題を明らかにし、解決にむけて引き続き協議をすすめます。

 ④ 秋の地域総行動について11月16日(水)とし、内容等については9月17日の第1回評議員会で具体的な提起をします。秋の栄総行動に積極的な参加をよびかけます。

 

6.補助組織・部会・委員会の活動

(1)女性協議会

 ① 働く女性の権利、女性が働き続けるための環境整備や男女平等をめざすとりくみを強化します。各単産での女性部活動の強化のために、母性保護の学習会などにとりくみます。

 ② 愛労連女性協9条の会第5回総会(12月3日(土)、労働会館)を成功させます。街頭宣伝やニュースの発行などをおこない、憲法9条の大切さを広く世論に訴えるとりくみをすすめます。

 ③ 国際交流女性のつどい(8月11日(木)・女性会館)、愛知母親大会(9月18日(日)、瀬戸)、はたらく女性の愛知県集会(10月30日(日)、労働会館)、3.8国際女性デー愛知県集会など、県下の女性団体との共同で女性の地位向上の運動を広げます。日本母親大会(7月30(土)~31日(日)・広島)への参加のよびかけをおこないます。

 ④ 男女雇用機会均等法、男女共同参画社会基本法を活用し、働く女性の声を職場・地域社会・自治体などへ反映させていきます。

(2)青年協議会

 ① 役員の選出について、引き続き単産と協議し、全単産からの幹事の派遣を追求するため、青年の実態調査にとりくみます。

 ② 幹事・役員の交流を深めるとともに、青年集会などのとりくみでつながった他団体とも協力して要求の掘りおこしや学習をすすめます。

 ③ 最賃生活体験、最低生計費調査、最賃の大幅引き上げにむけた署名や宣伝にとりくみます。

 ④ 原水爆禁止世界大会にむけての宣伝など、平和のとりくみをすすめます。

 ⑤ 9月23(金・祝)~25日(日)におこなう第20回ブロックサマーセミナーin焼津の成功のために、実行委員会に青年を派遣し、県内の参加者を広げます。また、サマーセミナーなどでつながる県外の青年との交流を大切に、全労連青年部のとりくみにも積極的に参加します。

 ⑥ 代表委員会や定期総会など、単産・地域から青年が多く集まる場所で、個々の思いを聞きとり、次年度の運営にいかすアンケートをおこないます。

(3)パート・臨時労組連絡会

 ① 改正パート法をいかすための学習会の実施、法律や指針が職場で実施されるようにします。

 ② 賃金・労働条件の改善をめざし、春闘では職場の未組織労働者にも働きかけ、要求の掘り起こしをおこない、すべての職場での要求提出をめざします。

 ③ 非正規労働者の運動をリードし、最低賃金生活体験や引き上げをめざすハンガーストライキ、労働局賃金課交渉、宣伝行動などに参加します。「時間給1000円以上」の実現と全国一律最賃制の確立をめざし、署名にもとりくみます。

 ④ 要求実現の基礎は仲間を増やすことです。職場のなかで労働組合を知る会などをひらき、加入への声かけも積極的におこないます。パート・臨時労組連絡会に参加する組織・幹事を増やせるよう、オルグにもとりくみます。

 ⑤ 「第16回パート・臨時などの元気の出る集会(11月27日予定)」や第8回総会(来年春予定)を成功させます。

 ⑥ 同一労働・同一賃金など、非正規労働者の均等待遇実現をめざし、ディーセントワークの確立をめざします。

(4)民間部会

 ① 民間部会として統一的な賃金闘争・一時金闘争を追求していきます。

 ② 事務局会議・幹事会を定例化し、民間部会として機能を強化します。

 ③ 春と秋に組織拡大宣伝を成功させます。

 ④ 民間部会として中小企業家同友会との懇談を定例化し、相互理解を深めていきます。

(5)交運部会

 ① 愛労連交通運輸部会は「交通運輸労働者の労働と生活実態に根ざした要求をもとに、広範な国民・労組・民主団体との共同を広げ、労働者・国民の立場に立った交通運輸のあり方」をめざす活動をすすめます。

 ② 今年度は、とくに「災害に強い交通体系のあり方」「緊急時の交通網の確保」を重視したとりくみを展開します。

 ③ 具体的行動として、春闘時の「自動車デモ」の実施、政策闘争としての「行政機関への交通政策要求」、交運共闘やAICHI陸海空港湾労組連絡会など交通大産別組織との共同のとりくみを重視していきます。

 

7.文化・宣伝活動のとりくみ

 ① 機関紙の定期発行を堅持します。

 ② 第16回あいち機関紙宣伝学校の内容を以下の日程で開催をめざします。
   日時  10月29日(土)~30日(日)
   場所  労働会館

 ③ 文化・スポーツ行事として、青年協議会などと協力し、スポーツ交流企画にとりくみます。

 

8.共済活動の強化めざして

 ① 組織拡大と結合した加入者拡大と、全労連共済の提起する2012年7月までに、個人加入共済(任意共済)の2年で2倍化を愛知共済会・単産共済ともに実現をめざします。

 ② 全労連共済会の方針に基づいて、他の自主共済を守る運動と連帯し自主共済活動に対する規制とたたかいます。

 ③ 愛労連として愛知共済会・単産共済の加入実態調査を実施します。

 ④ 9月19日(月・祝)に開催される愛知共済会ハゼ釣り大会を加入者と家族の参加で成功させます。

 ⑤ 愛労連として共済活動の交流会を開催します。

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