【声明】消費税増税法案の閣議決定に抗議する

野田内閣は本日30日、消費税増税法案を閣議決定した。愛労連は消費税の引き上げに反対であり、閣議決定に断固抗議し撤回を求めるものである。

低所得者に厳しく消費不況を招く

労働者の多くは賃金の大半を消費するため消費税引き上げは賃下げと同じ意味がある。いっぽう所得が一億円を超すような富裕層では消費の割合は少なく、投資や投機にまわす分には消費税の負担はない。日本は今でも税金による所得再分配が極めて低く、消費税の引き上げでほとんどゼロになりかねない。

デフレ不況が続くなか消費税引き上げ分だけ買い物が減れば、内需を冷え込ませ国内の景気に悪影響を及ぼすことは必至である。

価格転嫁できず弱いものが負担

現在の消費税でも中小企業の多くが価格に転嫁できないと言われている。トヨタは毎年2回の単価引き下げに加えて、円高を理由とした単価引き下げを二度も要求した。愛労連が今年2月に行った中小企業アンケートでは3.11震災後に40%、タイの水害後に35%の企業で単価の引き下げがあり、その多くが10%以上の引き下げになっている。

先日100円ショップのダイソーが「優越的地位の濫用」で公取勧告を受けたが、スーパーなどによる価格競争のツケは仕入れ業者や労働者に押しつけられている。その一方でトヨタなどの輸出戻し税は数千億円にのぼっており、消費税引き上げでこれも2倍になる。全く弱いものイジメ、不公平な税金が消費税である。消費税引き上げは中小企業の経営を圧迫し、中小企業労働者の賃上げをますます困難にするものである。

社会保障も改善されず

政府は「税と社会保障の一体改革」を引き上げの理由としたが5%の増税の内「4%分 借金返済に」(中日3/30)であり、社会保障の改善にはならない。税収の減は配当減税など富裕層、大企業への減税が主な理由である。またワーキングプアの増大も社会保障財源を厳しいものにしている。まともな雇用を増やし、企業に社会保障への負担を求めることが必要である。

いま震災復興、失業者支援・生活再建に公務員の役割が重要になっており、賃金カットや定員削減は被災者の願いに反するものである。「身を切る」と言うなら毎年300億円もタダ取りしている政党助成金こそ廃止すべきである。

2012年3月30日

愛知県労働組合総連合
議 長  榑松 佐一

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