第41期愛知県労働者委員の偏向任命に抗議する

2011年12月1日

愛知県知事 大村秀章 殿

愛知県労委民主化会議
代表委員 榑松佐一

11月29日、愛知県は第41期愛知県労働委員会委員の名簿を発表したが、今回もまた7人の労働者委員全員が連合愛知独占であった。99年5月の名古屋地裁判決で「労働組合運動において運動方針を異とする潮流・系統が存在する以上、労働者委員の構成においても多様性を有することが望ましい」と指摘されて以後、全国で連合独占が改められ、現在では10都府県で全労連加盟の地方組織が推薦する労働者委員が任命されている。しかしながら愛知で旧態然たる「世襲制」が続いていることは「偏向行政」とのそしりを免れない。

今日、労働者の35%を非正規労働者がしめ、その大半が年収200万円に届かず「貧困と格差」が拡大している。トヨタから毎年2回の単価の引き下げに苦しめられている下請中小企業は、派遣や外国人労働者・実習生に頼らざるを得ない。在庫を持たない「ジャストインタイム」のもと、トヨタショックや大震災、節電名目の土日操業、タイの洪水などの度に下請企業は操業停止を余儀なくされてきた。犠牲となるのは、常に下請企業と非正規労働者である。愛労連はこれらの労働者からの悲鳴ともいえる相談を毎年2千件も受けてきたが、このなかには「うちの組合には相談できない」という連合加盟組合や下請企業の労働者からのものも少なくない。

「貧困と格差」の大きな要因となった労働者派遣法はトヨタの奥田会長が日本経団連の会長となった2003年に改悪された。労働者派遣法の抜本改正でも有期労働者の規制強化でも、連合と愛労連・非連合では大きく意見が異なる。三菱電機派遣切り裁判などに見られるように大企業による違法派遣の告発では、当該大企業労働組合と原告派遣労働者では全く立場が異なってきた。

労働者が職場に労働組合をつくり、使用者による支配介入を拒否することは労組法で定めるもっとも基本的な権利である。労働委員会は労働者・労働組合の救済機関であり、労働者の団結権を保障することが大きな役割であるが、7人中5人が県内の大企業内労働組合の委員長であり他の2名も「連合愛知」の主要組合で独占されているもとでは、その系列職場で会社から独立した労働組合をつくり、権利を主張することはたいへん困難になっている。「異なる潮流」の片方だけを採用することは中小下請労働者、非正規労働者を切り捨てることにほかならない。

このような偏向任命は「公正」であるべき行政を大きくゆがめ、労働委員会の機能をそこなう自殺行為である。私達はこの偏向任命に強く抗議し、撤回を求めるものである。

                                 以上

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