対話と学びあい

対話と学びあいとは、労働組合の方針や行動を役員から組合員へ一方的に伝えるのではなく、職場・地域の仲間が互いの声を聞き合い、困りごとや願いを出し合い、その背景にある社会のしくみや制度を学び、要求と行動へ発展させていく取り組みである。

全労連は、たたかう労働組合のバージョンアップをすすめるうえで、「対話と学びあい」を労働組合運動の文化にすることを重視してきた。とくに2022年以降、たたかう労働組合のバージョンアップを提起するなかで、組合員が主体的に参加し、要求を自分の言葉で語り、仲間を増やしていくための方法として位置づけてきた。2025年のレバカレでも、「対話と学びあいの実践を広げよう」が大きなテーマとなり、2027年のレバカレ in 愛知にも引き継がれる課題である。

対話と学びあいの出発点は、職場や地域にある一人ひとりの声である。「賃金が足りない」「人が足りず休めない」「非正規との格差がある」「ハラスメントがある」「子育てや介護と仕事の両立が難しい」「平和や憲法の問題をどう考えたらよいかわからない」など、日々の困りごとや疑問を安心して出し合うことから始まる。

大切なのは、相手を説得することではなく、まず話を聞くことである。相手の思いや経験を否定せず、なぜそう感じているのかを受け止める。そのうえで、その困りごとが個人の努力不足ではなく、低賃金、人員不足、制度の不備、社会保障の切り捨て、公共サービスの後退、政治のあり方などと結びついていることを学びあう。ここに、対話と学びあいの意味がある。

愛労連は、対話と学びあいを、社会的な賃金闘争とたたかう労働組合のバージョンアップを結ぶ実践として位置づけている。最低賃金、ケア労働者の賃上げ、公務員賃金、非正規労働者の処遇改善、価格転嫁、公契約条例などの要求を広げるためには、職場と地域で「なぜ賃上げが必要なのか」「なぜ社会全体の課題なのか」を語り合い、納得を広げることが欠かせない。

また、対話と学びあいは、組織強化・拡大の土台でもある。労働組合に入っていない人や、入っていても活動に参加できていない人に対し、「加入してください」と呼びかけるだけでは広がらない。相手の不安や悩みを聞き、「労働組合があれば変えられる」「要求し続ければ成果につながる」という経験を共有することで、仲間を増やす力になる。

対話と学びあいは、会議の形式を変えることでもある。役員の報告を聞くだけの会議から、少人数で話し合う、職場の声を出し合う、要求を自分たちで考える、行動を自分たちで決める場へ変えていくことである。しゃべり場、組合カフェ、グループ討論、ワークショップ、対話練習などは、その具体的な方法である。

つまり、対話と学びあいとは、労働組合を「役員が方針を伝え、組合員が参加する組織」から、「組合員一人ひとりが声を出し、学び、要求をつくり、行動し、仲間を増やす組織」へ変えていく実践である。

愛労連の視点でいえば、それは、職場の一人ひとりの困りごとを出発点に、要求実現、組織拡大、社会的な賃金闘争、平和と憲法を守る運動をつなぐ土台である。対話と学びあいを広げることによって、労働組合は、組合員みんなが自分の言葉で語り、自分たちの力で職場と地域を変える組織へと成長していくのである。

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