わずか55円「1,195円」への引き上げでは生活改善できない、最低賃金法第9条に定める3要素のうち「労働者の生計費」に関する資料の提示および審議を求める異議申出書

愛知労働局長 久知良 俊二 様

名古屋市熱田区沢下町9-7労働会館東館3階
愛知県労働組合総連合(愛労連)
議 長 西尾 美沙子

1.物価上昇が前年を上回る勢いにあるとの最新情勢を踏まえた再審議を

 2026年8月の飲食料品の値上げは2,311品目に上り、前年同月比で8割増と発表されてます。中東情勢の長期化による原油・ナフサ価格の上昇が影響しています。また、2026年通年の値上げ品目数は1万8,347品目が判明しており、前年を上回る可能性があります。
 審議では、令和7年10月から令和8年6月までの消費者物価指数が前年同期に比べて低下したことを理由に、昨年の改定額を下回る答申が行われました。しかし、足元では値上げの勢いが前年を上回っていることから、この最新情勢を踏まえた再審議を求めます。

2.最低賃金額を定める3要素の一つ「労働者の生計費」に関する資料と審議が不十分なままの改定には納得できない

 8月4日に開催された「第4回専門部会」では、労使双方の委員から「労働者の生計費に関するデータが必要であり、国へ要望すべきである」などの意見が出され、事務局を含め認識が一致しました。私たちも同じ認識です。
 それであれば、今年の審議において、労働者の生計費を示す愛労連の「愛知県最低生計費試算調査結果2026年版」(昨年は採用)を活用し、説明の機会を設けたうえで、審議資料の一つとすべきではないでしょうか。また、国の資料である総務省の2024年家計構造調査の勤労者世帯分を、なぜ活用しなかったのでしょうか。愛労連は、これら二つの資料について、6月26日に資料を提供しました。異議審では、少なくともこの二つの資料を活用しないまま改正を決定した理由を説明してください。
 さらに、全国の8割以上の審議会で実施されている「意見陳述」を行えば、生計費を審議するための資料として活用できます。これらの資料や意見陳述を活用しないまま改定額を決定したことには、三要素を考慮したとは言えず納得できません。
 2015年に目安額19円へ1円を上積みする答申が行われた後、2016年から昨年までの10年間は目安額どおりの答申が続きました。その中で、11年ぶりに1円の上積みとなったことは評価します。その背景には、大幅引き上げを願う労働者の世論とともに労働者委員の主張、愛労連による署名・意見書などの運動、愛知県知事の要請などがあったと考えます。
 しかし、55円の引き上げによる時給1,195円では、生活改善にはほど遠い水準です。上記二つの資料に基づいて再審議し、最低賃金を1,800円に改定することを求めます。

3.中小企業への支援を国と県に要請を

 「答申」では、「愛知労働局に対する要望」が示されました。この数年はなかった要望であり、愛労連も求めてきたことから評価します。ただし、賃上げ加算等の拡充など、愛知労働局だけでは実施できない施策も含まれています。愛知労働局長として国に要望される際は、その内容を愛労連にもお知らせください。
 また、愛労連は、社会保険料の事業主負担分の免除・軽減など、中小企業に対する特別措置を求めています。この点も併せて国に要望してください。さらに、他県の例にならい、賃金引き上げに対する県独自の助成を実施するよう、愛知県にも要望してください。

以上   

カテゴリー:
キーワード: