【談話】2026年改定版 愛知県最低生計費試算調査結果の公表にあたって

 愛労連は本日、「2026年改定版 愛知県最低生計費試算調査結果(若年単身世帯)」を公表した。本調査は、愛知県(名古屋市)で25歳の若者が一人暮らしをしながら、健康で文化的な最低限度の生活を送るために、いくら必要なのかを明らかにするものである。

 試算の結果、2026年4月時点で、若年単身者が普通に暮らすためには、男女平均で月約28万円、年額で約338万円が必要であることが明らかになった。月150時間労働で時給換算すると、男性1,889円、女性1,874円となり、時給1,900円近い水準が必要である。これは決してぜいたくな生活費ではない。家賃を払い、食事をとり、仕事に通い、病気になれば医療を受け、友人や家族と交流し、文化的・社会的生活を営むための最低限の費用である。

 一方、現在の愛知県最低賃金は時給1,140円にとどまっている。月150時間働いても月収は17万1,000円にしかならず、今回の試算で示された月約28万円とは10万円以上の開きがある。これでは、若者が愛知県で自立して生活し、将来への展望を持つことは困難である。最低賃金近傍で働く人々には、非正規労働者だけでなく、正規の若年労働者、高年齢労働者、医療・介護・保育・学童保育など県民の暮らしを支えるケア労働者も含まれている。働いても生活できない賃金水準を放置することはできない。

 最低賃金法は、最低賃金を決める際に「労働者の生計費」「労働者の賃金」「通常の事業の賃金支払能力」の三要素を考慮することを定めている。なかでも「労働者の生計費」は、労働者が人間らしい生活を続けるための土台であり、憲法25条に基づく最低賃金審議の一丁目一番地である。しかし、これまでの愛知地方最低賃金審議会では、生計費に基づく議論はきわめて不十分であった。昨年、この最低生計費試算結果(2024年改定版)が審議会の参考資料として採用されたことは重要な前進である。今年も審議会資料として正式に活用し、最低賃金近傍で働く労働者の実態をふまえた審議を強く求める。

 愛労連は本日、愛知労働局と愛知地方最低賃金審議会に対し、愛知県最低賃金を1,800円以上に引き上げることを求める要請書と署名を提出した。また、6月5日には愛知県知事に対しても、最低賃金引上げに積極的な役割を発揮し、中小企業・小規模事業者が賃上げできる県独自の支援策を講じるよう要請した。

 物価高騰のもとで、暮らしに必要な費用は大きく上昇している。2015年の試算では月約22万7,000円であったが、今回の改定版では月約28万円となり、11年間で約24%上昇した。賃金が物価に追いつかない状況を改め、地域経済を立て直すためにも、最低賃金の大幅引上げは待ったなしである。

 愛労連は、今回の試算結果を県内で働く労働者に広く知らせ、開かれた最低賃金審議を実現し、最低賃金1,800円以上への引上げ、全国一律最低賃金制度の確立、中小企業支援の抜本的強化に向けて、引き続き全力をあげる。

以上

2026年6月26日

愛知県労働組合総連合
事務局長 竹内 創

愛知県最低生計費試算調査結果(若年単身世帯)―2026年改定版

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