中央最低賃金審議会 御中
愛知県労働組合総連合
議長 西尾美沙子
愛知県名古屋市熱田区沢下町9-7 労働会館3F
1 長引く物価高に加え、中東情勢の混乱による原油価格の高騰やナフサ供給不足の長期化が市民生活に多大な影響を与えています。さらに、食料品や日用品の価格上昇による家計負担は深刻さを増しています。とりわけ、最低賃金法第1条が対象とする「賃金の低廉な労働者」である非正規労働者・低所得労働者への影響は極めて大きく、最低賃金の大幅な引き上げは喫緊の課題です。
2 愛労連は、2025年1月に愛知県(名古屋市)若年単身世帯の最低生計費試算結果(2024年版)を発表しました。その結果、最低生計費を時給換算すると、男性1,806円、女性1,769円となりました。2026年6月26日には2026年改訂版を発表しますが、さらなる上乗せとなります。全国27都道府県で行われた同様の調査でも、必要な時給はおおむね1,700円から1,900円台であり、現在の最低賃金水準はあまりにも低すぎます。最低賃金法第9条第2項は、地域別最低賃金を「労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払能力」を考慮して定めるものとしています。労働者が憲法25条に保障された健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、同条の趣旨に基づき、生計費を重視した審議を行うことを求めます。
3 2026年1月27日に開催された「愛知県公契約に関する協議の場」では、愛知ビルメンテナンス協会の代表者から、最低賃金について、ハワイは2,200円、ドイツは2,300円であり、日本より韓国の方が高いこと、ベトナムの若い技能実習生も日本に来なくなっていること、日本も最低賃金を2,000円程度にしてほしいことなどが発言されました。人材不足を解消し、地域経済を持続的に発展させるためにも、最低賃金の大幅な引き上げが必要です。
4 昨年の秋田県に見られた最低賃金発効日の大幅な遅れは、地域経済や企業活動に悪影響を及ぼし、消費を冷え込ませ、労働者の期待を裏切り、働く意欲も奪う重大な問題となりました。最低賃金法第10条は、厚生労働大臣又は都道府県労働局長が、中央最低賃金審議会又は地方最低賃金審議会の意見を聴いて、地域別最低賃金を決定しなければならないと定めています。また、同法第14条は、地域別最低賃金が公示の日から30日を経過した日又は別に定める日から効力を生ずる旨を定めています。しかし、発効日を翌年3月31日まで大幅に先送りすることは、労働者の生活実態からも、最低賃金制度の趣旨からも許容しがたいものです。中央最低賃金審議会として、答申後は従前どおり速やかに発効させることを基本とする統一的な見解を示し、地方最低賃金審議会に対しても、その趣旨を徹底するよう求めます。
5 最低賃金の大幅引き上げを実現するためには、中小企業・小規模事業所への実効ある財政措置が欠かせません。国に対し、賃上げを行った企業への直接的な財政支援を拡充すること、原材料費と人件費が価格に適正に反映される仕組みを実効性あるものにすることを求めます。中央最低賃金審議会からも、国に対して強く働きかけていただくよう要請します。
以上






